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結論:無職でもカーリースを利用できることもある

無職でも、カーリースの審査にさえ通過すればカーリースを利用することは可能です。
無職の方が審査に通りにくい大きな理由に、「安定して支払いできる」という条件を満たせないことがあるからです。逆に無職であっても毎月のリース料金を支払っていけることが証明できれば、カーリースを利用することができるのです。
たとえば、コスモMyカーリースの場合は無職であっても「安定した収入のある連帯保証人」さえいればカーリースの利用が可能になることもあります。
そもそもカーリースの審査って何?
審査とは、カーリース会社と提携している信販会社を通じて、申し込んだ人の支払能力を判断することです。カーリースの申し込み時に行われますが、どのカーリース会社においても審査は行われます。
カーリース会社や信販会社によって審査内容や審査基準は異なりますが、主に年齢や職業、現在の収入、賃貸か持ち家か、といった居住の状況などが判断材料になります。カーローンには「仮審査」と「本審査」の2つがありますが、多くのカーリースでは本審査のみです。
一部のカーリース会社では、提携した信販会社ではなく、独自の基準で自社審査を行っている場合もあります。その場合は、他社よりも基準は甘くなることがほとんどです。
では、カーリース会社の審査基準とは一体どのようになっているのか、次で詳しく説明します。
カーリースを利用するために!一般的な審査基準を紹介

先述のとおり、カーリースの審査はカーリース会社によって基準が異なります。
仮に希望するカーリース会社の審査に通らなくても、他社のカーリースなら通過できる場合もあるので、すぐに諦めないことが大切です。どうしても審査に通るか気になる場合は、カーリース会社の公式サイトにシミュレーションが用意されていることもあるので、そちらを試してから申し込むのもいいでしょう。
カーリースの主な審査内容は、以下の通りです。
- 1. 年齢
- 2. 職業
- 3. 勤続年数
- 4. 年収
- 5. 信用情報
- 6. 所有する資産
上から順番に見ていきましょう。
審査①:年齢
カーリース会社による違いはありますが、概ね20~75歳に限定している場合がほとんどです。
20歳未満の場合は、免許の取得から期間がなく運転に慣れていない、支払い能力が保証できないといった理由があります。高齢者の場合は判断能力や運転能力の衰え、年金以外の収入がないことなどが大きな理由です。
審査②:職業
正社員や公務員は安定した収入があると判断されるので、審査において有利になることがほとんどです。いくら多くの収入があってもパートやアルバイトといった雇用形態では、収入が安定しないと判断されて、審査で不利になる場合があります。
無職も同様に収入がない、収入が安定しないと判断されるので、審査においては不利になるでしょう。
審査③:勤続年数
就職や転職から間もないなど、勤続年数が1年未満の場合は収入が安定しないと判断されて不利になることがあります。勤続年数は概ね3年以上あると安定性があると判断されて、審査が有利になるでしょう。
審査④:年収
カーリース会社が基準の金額を公表することはありませんが、一般的には200万円以上の収入があれば審査が有利になります。逆に200万円を下回っていると、不利になることが多いといわれています。
審査⑤:信用情報
主に、過去の支払い情報です。
たとえば、クレジットカードの支払いの延滞や自己破産といった経験が過去にある場合、審査が不利になることもあります。信用情報は最長10年、JICCやCICといった信用情報機関に保存され、カーリースの審査にも活用されます。情報が保存されている間に何か問題がある場合は、審査に通らない可能性もあるのです。
審査⑥:所有する資産
所有する資産も、審査基準のひとつです。
たとえば、土地や持ち家などの担保にできる不動産を有している場合は、支払い能力があると判断されることもあるでしょう。
カーリースの審査に通りやすくするためのポイント

カーリースの審査に通りやすくするためのポイントは、以下のとおりです。
- 1. 無職でも収入があるなら証明する
- 2. 家族の名義で契約する
- 3. 毎月のリース料金を安くする
上から順番に説明していきます。
ポイント①:無職でも収入があるなら証明する
1つめのポイントは、収入の証明です。
たとえ無職であっても、家賃収入や年金があれば収入が安定していると判断される場合があります。職に就いていないからと諦めるのではなく、収入があることを証明できるものを用意して審査を受けましょう。
ポイント②:家族の名義で契約する
2つめのポイントは、家族名義での契約です。
自分の名義で審査に通過するのが難しいのであれば、家族に契約してもらう方法もあります。ただし、家族名義で契約すると支払いの延滞や事故といったトラブルが発生した際、責任は家族が負わなければなりません。そのため、きちんと話し合って、双方が合意のうえで契約するようにしましょう。また、リース会社によっては「契約者=使用者」というルールを設けている場合もありますので、事前に確認が必要です。
ポイント③:毎月のリース料金を安くする
3つめのポイントは、リース料金を安くすることです。
毎月のリース料金を安くすることで、支払いのハードルを下げることができます。たとえ収入が少なくても毎月のリース料金も少ないのであれば、無職でも審査に通りやすくなります。
具体的には、以下のような方法があります。
- 1. 車両本体価格が安い車を選ぶ
- 2. 車のグレードを下げて、オプションは最低限にする
- 3. 中古車を選ぶ
- 4. 契約期間を長くする
- 5. 頭金を支払う
上から順番に見ていきましょう。
方法①:車両本体価格が安い車を選ぶ
1つめの方法は、車両本体価格が安い車を選ぶことです。
そもそもカーリースの多くは、残価設定が採用されています。車両本体価格から契約満了時に想定される価値を差し引いた金額に税金や手数料を加えたものを支払うシステムなので、車両本体価格が安いと毎月のリース料金も下がります。
車両本体価格が安い車とは、主に軽自動車やコンパクトカーです。ボディが小さくエンジンの排気量も小さいことから、車の中でも安価な傾向にあります。
希望する車種がないのであれば、車両本体価格が安い車にすることをおすすめします。
方法②:車のグレードを下げて、オプションは最低限にする
2つめの方法は、車のグレードを下げてオプションを減らすことです。
車はグレードが上がるほど豪華な外観や内装になり、オプションをつけるほど便利な機能が増えます。つまり、上位グレードでオプションを多くつけると、車両本体価格は高くなってしまうのです。
逆に、最廉価グレードにしてオプションを最低限にすることで、車両本体価格を大きく下げることもできます。
内外装や装備にこだわりがなければ、グレードを下げてオプションを減らすことをおすすめします。
方法③:中古車を選ぶ
3つめの方法は、中古車を選ぶことです。
新車よりも、中古車の方が車両本体価格は安くなります。
カーリース会社によっては中古車も取り扱っていますし、中古車リースを専門としている会社もあります。両方を取り扱うカーリース会社であれば、新車のリース料金を見積りしてもらって高いようであれば中古車に切り替える、といったことも可能です。
ただし、中古車リースは在庫車両のなかから選ばなければならないので、好きなグレードやオプションがみつからない場合もあります。
方法④:契約期間を長くする
4つめの方法は、契約期間を長くすることです。
リース契約する期間が長くなるほど、月額料金も安くできるからです。そもそもカーリースで採用される残価設定は残価(残存価額)を契約期間で割って算出するので、期間が長くなるほど安くなる仕組みなのです。
一例として、トヨタ・ヤリス・グレード「X」・2WDのメンテナンスなしプラン、月間走行距離1,000㎞の場合の月額リース料を3年・5年・7年で比較してみましょう。
3年契約 | 5年契約 | 7年契約 | |
---|---|---|---|
月額リース料 | 4万4,110円 | 3万2,340円 | 2万7,610円 |
※すべて税込み
※コスモMyカーリースのシミュレーションを使用
※2025年2月のシミュレーション結果によるもの
上記のとおり、7年、5年、3年の順に月額リース料は下がっていくことがわかります。
途中で解約する予定がない場合は、カーリースの契約期間を伸ばす方法もおすすめです。
方法⑤:頭金を支払う
5つめの方法は、頭金を支払うことです。
貯金があって頭金を支払う余裕があれば、契約時に支払っておくことで毎月のリース料金を安くすることができます。頭金の金額が高くなるほど、毎月のリース料金は下がります。
審査対象となる金額が少なくなるため、審査のハードルは低くなるのです。
契約時の負担は大きくなってしまいますが、カーリースの審査に通りにくそうな場合は頭金を入れることも念頭に置いてみましょう。
無職でカーリースの審査に通らなかった際の対処法

無職でカーリースの審査に通らなかった際の対処法は、以下のとおりです。
- 1. 原因が解消されるのを待つ
- 2. 連帯保証人をつける
- 3. 別のカーリースに申し込む
上から順番に説明していきます。
対処法①:原因が解消されるのを待つ
1つめの対処法は、原因の解消を待つことです。
まずは、クレジットカードや税金などの支払いの延滞や滞納が過去にあったか確認します。特にクレジットカードは通帳残高が足りずに請求料金が引き落とせなかったことに気づかず、知らない間に「滞納」とされていることもあります。
債務履歴は最長で10年残るとされていますが、一般的には5年ほどで履歴が消えるといわれています。なので、債務履歴が消えるのを待ってからカーリース契約する手段もあるのです。
カーリース契約を急いでいないのであれば、待ってから申し込むのもいいでしょう。
対処法②:連帯保証人を立てる
2つめの対処法は、連帯保証人を立てることです。
無職の場合は安定した収入を得ているという条件を満たしていないので、連帯保証人を立てることで問題を解消できるかもしれません。親や配偶者、親戚など、安定した収入のある人が周りにいるのであれば、連帯保証人になってもらうことも検討してみましょう。
対処法③:別のカーリースに申し込む
3つめの対処法は、別のカーリースに申し込むことです。
そもそも審査の基準はカーリース会社によって異なるので、審査に通らなくても別のカーリースの審査で通過できることもあります。特に自社で独自審査を行っているカーリースは基準が甘い傾向にあるので、サービス内容に問題なければ受けてみるのもいいでしょう。
まとめ:無職の方にはカーローンよりもカーリースがおすすめ

今回の記事では、無職でのカーリースの利用についてご紹介しました。
繰り返しになりますが、無職の方にこそカーローンよりカーリースがおすすめです。
たとえ無職であっても連帯保証人さえ確保できれば審査に通ることもありますし、カーローンのような仮審査と本審査という2段階の厳しい審査もありません。
カーローンと異なり、カーリースには残価設定があり、契約期間も選択できることがほとんどです。さらに、中古車リースという選択肢もあるなど、毎月の支払額を下げる方法がいくつかあります。また、カーローンは頭金や税金といった初期費用がかかるため、貯金がないと利用は難しいですが、カーリースは初期費用が不要で頭金が用意できなくても問題ありません。
カーローンの審査に高いハードルを感じる方は、ぜひカーリースをご検討ください。

【プロフィール】
近藤 大助自動車メディアでの執筆経験は約5年。エイチームの「ナビクルcar」や「トヨタの中古車アプリ・remobii」の記事のほか、八重洲出版のバイク専門誌「モーターサイクリスト」、中古車ガリバー、Keeper Proといった大手の出版社や企業の記事を執筆。「Yahoo!ニュース」掲載経験あり。
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