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そもそも黒ナンバーとは?黒ナンバーつきカーリースとは?

道路を走行する車の中に、黒いナンバーをつけた車両を見たことがあるでしょう。一般的な車のナンバーは白や黄色ですが、それらに比べると少ない印象を持っているのではないでしょうか。では、この黒いナンバーにはどんな意味があるのか見ていきましょう。
黒ナンバーとは?
黒ナンバーとは、営業用の軽貨物車が使用できるナンバーのことです。
報酬を受ける軽貨物運送事業を営むには、黒ナンバーを利用するように法律で定められています。逆に一般の自家用車についている白地に緑のナンバープレートでは、軽貨物運送事業を行うことはできません。
運送事業の中でも軽自動車用の黒ナンバーは、初期投資が少なく開業しやすいことから人気があります。ちなみに、黒ナンバーは「貨物車」に該当する4ナンバーのみです。
黒ナンバーを取得するには?
黒ナンバーを取得するためには、管轄の運輸支局に申請する必要があります。
申請に必要な書類は、以下のとおりです。
- 貨物軽自動車運送事業経営届出書
- 貨物軽自動車運送運賃設定届出書
- 事業用自動車等連絡書
- 運賃料金表
- 車検証のコピー
基本的に黒ナンバーの取得は1日で行えますが、運輸支局の数が少ないことから移動に時間がかかったり書類の作成に手間がかかったりして、数日を要することもあるでしょう。
行政書士や専門の業者に依頼することで手間や時間は省けますが、2~4万円の費用が発生します。
黒ナンバーつきカーリースとは?
黒ナンバーカーリースとは、事業用の軽貨物車をリースできるサービスのことです。
カーリース会社の中には、事業用の軽貨物車をリースしていたり、軽貨物車の中古車を取り扱っていたりすることもあります。中古車のリースであれば、初期費用だけでなく毎月のリース料金まで抑えることができます。
短期のカーリースが可能な会社もあるので、どのくらい稼げるか試してみたい場合に活用することも可能です。
黒ナンバー車両のリース期間や納期について
黒ナンバーつき車両のリース期間は、カーリース会社によって異なります。
一般的なリース期間は最短1年程度から1年単位での契約がほとんどであり、契約期間が長くなるほど毎月のリース料は安くなる傾向にあります。
毎月の負担を少しでも抑えたいなら、契約期間を長くすることで実現できます。しかし、事業の先行きを予想できずに毎月の支払いを滞りなく済ませられるか心配な場合は、中古車カーリースにして毎月かかる費用を安くすることも可能です。
納期については、新車の場合は1カ月から3カ月程度、黒ナンバー取得済みの中古車であれば数日から2週間程度です。
少しでも早く事業を始めたい場合は、黒ナンバー取得済みの中古車カーリースをおすすめします。
黒ナンバーのカーリースを利用するメリット・デメリット

黒ナンバー車両のカーリースが存在することは分かりましたが、どんなメリットとデメリットがあるのでしょうか。次で詳しく、黒ナンバー車両をリースする際のメリットとデメリットについて解説していきます。
黒ナンバーのカーリースを利用するメリット
黒ナンバーのカーリースを利用するメリットは、以下のとおりです。
- 1. カーリースにかかる費用を経費として計上できる
- 2. メンテナンスの管理が楽
- 3. 初期費用がかからない
上から順番に説明していきます。
メリット①:カーリースにかかる費用を経費として計上できる
1つめのメリットは、毎月のリース料金を経費にできる点です。
経費として計上できると、節税効果が期待できます。
黒ナンバーの軽貨物車両を購入すると、固定資産としてみなされることから税金が発生するうえに経費として扱う場合には減価償却の必要があります。減価償却とは、固定資産の購入費用を使用する期間に分割して計上する会計処理であり、簿記3級程度の知識を要します。
カーリースなら、黒ナンバー車両の所有者であるカーリース会社の固定資産になるため、契約者が手間や専門知識を要する減価償却を行う必要はありません。各種税金も毎月のリース料金に含まれていることから、会計処理も楽です。
節税対策をするなら、黒ナンバーつきカーリースがおすすめです。
メリット②:メンテナンスの管理が楽
2つめのメリットは、メンテナンス管理の手軽さです。
黒ナンバーつきカーリース車両をメンテナンス込みのプランで契約していると、点検・車検や消耗品の交換まで個別での出費がありません。しかも、整備はカーリース会社の提携先で行うので、探す手間がかかりません。
一方で購入の場合はメンテナンスが含まれていないので、点検や車検、消耗品の交換のたびに出費が発生します。整備工場も自分で探す手間がかかるほか、予算によっては事前にお金を用意しておく必要があるでしょう。
メンテナンス管理を楽にするなら、黒ナンバーつきカーリースをおすすめします。
メリット③:初期費用がかからない
3つめのメリットは、初期費用がかからないことです。
黒ナンバーつきカーリースは、車両本体価格はもちろん、各種税金や自賠責保険料、登録手数料などが毎月のリース料に含まれているため、契約時に初期費用を支払う必要はありません。
一方の購入は、上記の費用を用意する必要があるので、事業を始めたばかりのタイミングとしては負担が大きいといえるでしょう。
開業資金を少しでも減らすなら、黒ナンバーつきカーリースがおすすめです。
黒ナンバーのカーリースを利用するデメリット
黒ナンバーのカーリースを利用するデメリットは、以下のとおりです。
- 1. 走行距離制限が設定されることもある
- 2. 残価精算が発生する可能性がある
- 3. 中途解約できない
上から順番に詳細をみていきましょう。
デメリット①:走行距離制限が設定されることもある
1つめのデメリットは、走行距離制限の超過です。
カーリースには、契約時に設定した走行距離制限があります。黒ナンバー車両を返却する際に距離を超過していると、超過金を支払わなければなりません。
たとえば、1km超過ごとに10円のカーリースで1万km超過していた場合は、10万円の超過金が請求されます。
黒ナンバーを使った事業を始める場合は長距離走行が想定されるので、事前に走行距離を長く設定できるか確認しておきましょう。
デメリット②:残価精算が発生する可能性がある
2つめのデメリットは、残価精算のリスクです。
そもそもカーリースは契約満了時の予想査定額である「残存価額(以下残価)」を設定することで、毎月のリース料金を安くしています。しかし、契約満了時に車両を返却する際、査定額が予想よりも下回っていた場合は、残価との差額を精算しなければならないのです。
黒ナンバーは車両の利用頻度が高いことから、車両の価値を下げるキズや凹みがつきやすいので、取り扱いには注意が必要です。
残価精算のリスクを避けるなら、満了時の買取りやもらえるプランのある黒ナンバーつきカーリースも検討してみましょう。
デメリット③:中途解約できない
3つめのデメリットは、中途解約できないことです。
カーリースにおいては原則、中途解約することは認められません。解約できない理由は、契約期間を基に毎月のリース料金を設定しているためです。
ただし、本人の長期入院や死亡といった例外があれば認められますが、残り期間のリース料金を一括で支払う必要があるなど、負担が大きいといえます。
中途解約のリスクがあるなら、契約期間を自由に設定できるカーリースや中途解約オプションのあるカーリースの契約を検討してみましょう。
カーリースで黒ナンバー車両を利用した場合の料金をシミュレーション

カーリースで黒ナンバー車両を契約した場合の料金を、コスモMyカーリースのお試し見積りを使ってシミュレーションしてみましょう。
シミュレーションする車種は、スズキ・エブリイバンです。「PA」グレード、2WD、MT、5ドア、オプションなしの108万9,000円の車両です。カーリースのプランは「シルバーパック」という、オイル交換や点検・車検といった最小限のメンテナンスがついたもので、走行距離は月間1,000㎞とします。
2年契約、4年契約、6年契約のリース料金は、以下のとおりです。
2年契約 | 4年契約 | 6年契約 | |
---|---|---|---|
月額料金 | 4万7,080円 | 3万800円 | 2万5,190円 |
総額 | 112万9,920円 | 147万8,400円 | 181万3,680円 |
※すべて税込み
※2025年2月のシミュレーション結果によるもの
黒ナンバー車両の月額料金および総額には、車両本体価格だけでなく、初期費用や各種税金、自賠責保険料、点検・車検費用、メンテナンス費用なども含まれています。
カーリースは契約期間が長くなるほど毎月の支払いを抑えられるので、2年契約よりも4年契約や6年契約の方が月額リース料が安いことがわかります。
まとめ:黒ナンバーを利用するならカーリースがおすすめ

今回は、黒ナンバー車両のカーリースについてお話ししました。
個人で軽貨物運送事業を始めるなら、カーリースがおすすめです。
理由は、カーリースであれば初期費用が不要なので開業資金が抑えられるほか、毎月のリース料金は経費として計上できるため、節税につながるからです。また、初めての開業による収入の予測ができない場合には、中古車にして毎月のリース料金まで節約することが可能です。このように、新規事業者にとっても多くのメリットがあるため、まずはカーリースを試してみるのもいいでしょう。
コスモ石油サービスステーションが運営するコスモMyカーリースなら、国産全メーカーの車種に対応しているうえに中古車という選択肢もあることから、自分に合った1台をみつけやすいといえます。ぜひ、検討してみてください。

【プロフィール】
近藤 大助自動車メディアでの執筆経験は約5年。エイチームの「ナビクルcar」や「トヨタの中古車アプリ・remobii」の記事のほか、八重洲出版のバイク専門誌「モーターサイクリスト」、中古車ガリバー、Keeper Proといった大手の出版社や企業の記事を執筆。「Yahoo!ニュース」掲載経験あり。
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