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カーリースの車内で喫煙はできる?

近年では、公共交通機関や飲食店などが原則屋内禁煙となるなど、どんどん禁煙の動きが広がっています。そのため、「車の中では自由にタバコを吸いたい」という喫煙者の方もいるでしょう。では、カーリースの場合、車内での喫煙は認められているのでしょうか。
カーリースのしくみ
カーリースとは、一定の期間、月々定額で好きな車を借りることができるサービスです。車を借りるとはいっても、不特定多数の人が同じ車を使用するレンタカーやカーシェアリングとは異なり、カーリースの車は自分専用。契約期間中は自宅の駐車場等に車を保管し、必要なときにいつでも自由に車を使用できます。
カーリースでは、使用する分だけ車の費用を支払うことになっており、合理的な車の乗り方ができます。ここで、車両本体価格が400万円の車に乗る場合について考えてみましょう。この車を一括払いで購入する場合は、初期費用として車両本体価格の400万円と税金や車の登録に関する費用がかかり、さらに購入後も毎年税金を納めなくてはなりません。
では、カーリースを利用する場合はどうでしょうか。仮に、5年契約のカーリースを選び、契約満了時(5年後)のリース車の予定残価を180万円とすると、5年間のリース期間中に220万円分車を使うことになります。この220万円に車の登録時の諸費用や契約期間中の税金を加えた金額を、5年間(60カ月)で均等に割った金額が、カーリースの月々の料金となります。
このように、カーリースには残価設定があるので車両本体価格の全額を支払う必要がなく、月々の料金も抑えられるので無理なく利用できます。
ほとんどのカーリースでは、喫煙を禁止していない
海外では子どもが同乗している自家用車の車内での喫煙を禁止している国もありますが、日本では車内での喫煙は禁止されていません。では、喫煙者がカーリースを利用する場合、車内で喫煙することはできるのでしょうか。
「レンタカーなどの場合、喫煙車以外は禁煙となっているから、カーリースの車内での喫煙も禁止なのでは...」と考える方もいるかもしれませんが、実は、ほとんどのリース会社では、リース車での喫煙を禁止していません。カーリースの特長の一つが、マイカーと同様に車を使用できること。喫煙者の方は、マイカーに乗るときと同様にリース車の中でタバコを吸うことができますのでご安心ください。
カーリースの車で喫煙した場合、追加費用は発生する?

カーリースの中には、契約満了時に追加費用が発生するものもある
カーリースを利用する際、選ぶリース会社やプランによっては契約満了時に追加費用が発生することがあります。カーリースの月々の料金は、車両本体価格から契約満了時の予定残価を差し引いた金額をもとにして算出されています。そのため、「車内のシートを汚してしまった」「想定よりもリース期間中の走行距離が長くなってしまった」などの理由で契約満了時の車の価値が予定残価を下回ると、差額の精算が必要になる場合があります。
カーリースの車で喫煙すると、原状回復費用を請求されることも!
カーリースでは、車内での喫煙が禁止されていないことが一般的。しかし、車内での喫煙が可能であったとしても、契約満了時に原状回復費用を請求されることがあります。喫煙した車の場合、車内についたタバコのニオイやヤニによる汚れをとるためのクリーニングが必要です。また、クリーニングしても取れない汚れがあったりタバコの火でシートに穴があいていたりすると、パーツやシートの交換が必要になることもあります。
さらに、喫煙が原因で、返却したリース車の価値が予定残価を下回ってしまうと、契約満了時に差額を精算することになる場合も。喫煙車は、禁煙車と比べると数万円程度、高級車の場合は10万円以上も査定額がダウンする傾向があるといわれていますのでご注意ください。
喫煙者がカーリースを選ぶときにチェックすべきポイントは?

喫煙者がカーリースを利用する場合は、どのようなことに気をつけるとよいのでしょうか。リース会社やプランを選ぶ際のポイントをご紹介します。
契約前に喫煙は可能か確認しておく
喫煙者がカーリースを利用する際は、契約前に「車内での喫煙はOKか」を確認しておくことが大切です。ほとんどのリース会社では、リース車の車内での喫煙を禁止していませんが、リース会社によっては禁煙車をリースしている場合もあります。もし、禁煙車ということを知らずに車内で喫煙してしまうと、途中で強制解約となったり違約金が発生したりすることも。契約後のトラブルを防ぐために、必ず事前に車内での喫煙の可否を確認しておきましょう。
追加費用の発生を防ぐなら、「クローズドエンド方式」での契約を選ぶ
先述の通り、カーリースの車内で喫煙すると、契約満了時に残価精算が発生する可能性があります。「車内で喫煙はしたいけれど、契約満了時に追加費用が発生するのを防ぎたい」という方は、契約方式に注目してリース会社やプランを選ぶのがポイントです。
実は、カーリースの契約方式には、「オープンエンド方式」と「クローズドエンド方式」の2つのタイプがあります。オープンエンド方式では、契約時にリース車の予定残価を契約者に公開し、契約満了時に車両を返却する際、実際の車の価値が予定残価を下回った場合には残価精算を行います。なお、オープンエンド方式を選ぶと、契約満了時に残価を支払って車を買い取ることもできます。
一方、クローズドエンド方式では、リース車の予定残価は非公開となります。クローズドエンド方式を選んだ場合は、大きなキズ・ヘコミや契約走行距離の超過がなければ契約満了時の残価精算はありません。そのため、残価精算で多額の追加費用が発生するリスクをなくしたい方は、クローズドエンド方式を採用しているリース会社やプランを選ぶのがおすすめです。とはいえ、前述したように、車の価値が大きく下がるほどのニオイや汚れがついてしまうと原状回復費用を請求される可能性もありますので、注意するに越したことはありません。
車がもらえたり買い取れたりするプランなら、タバコのニオイを気にしなくてOK
カーリースの契約が満了し、車を返却する際には、車を原状回復しなくてはなりません。リース車で喫煙したときは、車内のクリーニングが必要となります。
「クリーニング代がかかると思うと、気兼ねなく喫煙できない」「車内にニオイがつくことを気にせずに、思う存分タバコを吸いたい」そんな方には、車をもらえたり買い取れたりするプランを選ぶことをおすすめします。
カーリースは、契約が終わったら車を返却するのが基本ですが、プランによっては契約満了時に車をもらえたり、残価を支払って車を買い取ったりすることもできます。こういったプランのカーリースを選べば、車の原状回復が必要なくなるので、ニオイや汚れで追加費用が発生することを心配せずに自由に車内で喫煙できます。
メンテナンスつきのプランを選んで、車内のニオイを抑える
多くのリース会社では、メンテナンスつきのカーリースのプランを用意しています。メンテナンスつきのプランを選べば、車両本体価格や税金だけでなく、車検やそのほかのメンテナンスの費用も月々定額にすることができます。
特に、カーリースを利用する際に車内で喫煙したいとお考えの方は、メンテナンスつきのカーリースを選ぶのがおすすめです。タバコのニオイがつきやすい車内も、定期的にエアコンフィルターの掃除や交換を行うことで、ニオイが染みつくのを最小限に抑えることができるからです。車内で喫煙する方は、ぜひメンテナンスつきのプランを活用してしっかりとニオイ対策を行いましょう。
喫煙者必見!カーリースの追加費用を抑えるための対策とは?

カーリースの車で喫煙するときは、契約満了時の追加費用をできるだけ抑えるため、ニオイと汚れがつかないように気をつけたいもの。では、車にタバコのニオイや汚れが染みつくのを防ぐにはどうしたらよいのでしょうか。自分でできる対策をご紹介します。
喫煙時には換気を行う
車の中は、狭い密室空間。喫煙すると、車内にタバコの煙がこもってニオイやヤニがついてしまいます。ニオイや汚れを防ぐために大切なのは、しっかりと換気を行うことです。喫煙時には換気をして、タバコの煙を外に排出しましょう。
換気する際のコツは、窓を2カ所空けること。運転席で喫煙するときは、運転席の窓だけでなく、助手席の窓も開けるようにしましょう。そうすることで、車内に空気の流れができ、効率よくタバコの煙を排出することができます。また、窓を閉めてエアコンをつける場合は、「内気循環」でなく「外気導入」のモードを選ぶようにしましょう。
消臭剤を使用する
車内にタバコのニオイが染みつくのを防ぐために、消臭剤を使用するのも効果的です。消臭剤には、さまざまなタイプのものがあるので、用途に応じて選びましょう。主な消臭剤のタイプとその特徴は以下の通りです。
- (1)据置きタイプ
据置きタイプの消臭剤は、車内に置いておくだけでよいので、手軽にニオイ対策ができるというメリットがあります。 - (2)クリップタイプ
エアコンの送風口に取り付けるだけなので、設置が簡単。エアコンのニオイが気になる人におすすめです。 - (3)スプレータイプ
シートやフロアマットなど、ニオイが気になる部分にスプレーすることでニオイ対策を行うことができます。 - (4)スチームタイプ
スイッチを押してスチームを拡散させ、車内を一度に消臭します。
エアコンのフィルターはこまめに交換する
車内で喫煙する方の中には、「エアコンをつけるとニオイが気になる」とお悩みの方もいるでしょう。このような場合は、エアコンの内部にタバコの煙が入り込み、ニオイ成分が付着してしまっていることが考えられます。エアコンからのニオイを防ぐには、定期的にエアコンの内部洗浄を行ったり、こまめにフィルターを交換したりすることが大切です。
タバコを電子タバコに変える
近年では、従来の「紙タバコ」でなく電子タバコを使う人も増えてきています。電子タバコは、従来のタバコと比べるとニオイが少なく、また、タールを含んでいないためヤニがつくこともありません。そのため、車にタバコのニオイをできるだけつけたくないのであれば、タバコを電子タバコに変えるというのも一つの方法だと考えられます。
フロアマットを洗濯する
シートや天井、フロアマット、エアコンの内部などは、タバコのニオイや汚れを吸着しやすい部分。その中で、フロアマットは自分で手軽に水洗いができるので、定期的に洗濯してきれいにしておきましょう。
フロアマットを洗濯するときは、台所用の中性洗剤を使用します。中性洗剤を水と混ぜ、それを取り外したフロアマットにかけてブラシで洗います。その後、水ですすいで天日干ししてください。
こまめに車内の水拭きを行う
一度車内についてしまったら、なかなか取れないタバコのヤニ。ヤニ自体は水に溶けるため、早めに対策すればきれいな状態を保つことも可能です。汚れが染みついてしまう前に、こまめに車内を拭き掃除しましょう。
車内の掃除に使用するのは、スプレータイプの車用のクリーナーまたは水で薄めた中性洗剤。ヤニの汚れが気になる部分にスプレーし、しばらくしたら水で濡らして絞ったきれいな雑巾を押しつけるようにして洗剤を拭きとっていきます。その後、エアコンで車内をしっかりと乾かしてください。
まとめ:喫煙する人は、喫煙者に合ったカーリースを選ぼう

カーリースの場合でも、マイカーと同様に、車内で自由に喫煙できることが一般的です。ただし、中には禁煙車をリースしているリース会社もありますので、契約前に喫煙してよいかを確認しておく必要があります。
なお、喫煙OKの場合でも、車内で喫煙すると、契約満了時に原状回復費用を請求されたり、予定残価との差額を追加で支払うことになる場合もあるのでご注意ください。契約満了時の追加費用を抑えるには、クローズドエンド方式のカーリースを利用する、メンテナンスの充実しているプランを選ぶなどの方法が効果的です。ぜひ参考にしてみてください。

【プロフィール】
今村 まりな教育現場に勤務しながら、2015年よりフリーライターとしての活動をスタートする。2019年からは大手自動車メディアでコラムの執筆を担当。これまでにカーリースや自動車保険などカーライフに関する記事を300本以上制作している。
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