乗り放題のカーリースはある?通常プランとの違いは?

乗り放題のカーリースであれば、長距離通勤をしている方やドライブが趣味な方なども距離を気にせずに乗れますが、そのようなサービスはあるのでしょうか?今回は乗り放題カーリースを提供している会社や、乗り放題のメリット・デメリットを中心に紹介していきます。

乗り放題のカーリースはあるの?

乗り放題のカーリースがあるかを考えている女性

乗り放題のカーリースを利用できる会社はあるのでしょうか?

結論から言えば、一部リース会社では長期プランを契約したりオプションを付けたりすることで乗り放題になる場合があります。詳しくみていきましょう。

一部リース会社は乗り放題プランを用意している

一部リース会社では、7年以上などの長期契約プランを契約することで走行距離制限が撤廃され、乗り放題となります。また、走行距離制限を設定しているリース会社でも「車がもらえるオプション・プラン」に加入することで実質的に乗り放題になる場合もあります。

具体例を紹介します。(2023年10月時点)

  • コスモMyカーリース:9年以上の契約で最終的に車がもらえるので、走行距離制限が実質なくなる
  • 定額カルモくん:7年以上の契約で走行距離制限がなくなる
  • カーコンカーリース:もらえるプラン(7年/9年/11年リース)契約で最終的に車がもらえるので走行距離制限が実質なくなる
  • MOTAカーリース:すべてのプラン(7年/9年/11年リース)で走行距離制限なし
  • SOMPOで乗ーる:9年リース/残価なしプラン契約で最終的に車がもらえるので、走行距離制限が実質なくなる
  • ニコニコカーリース ニコノリ:9年リースで「もらえるパック」に加入で走行距離無制限に。また、中古車カーリースは最終的に車がもらえるので、走行距離制限が実質なくなる

一般的なリース会社が走行距離契約を設けている理由

乗り放題になるカーリースのプランをいくつか紹介しましたが、ほとんどのリース会社は走行距離契約を設けています。利用者にとっては煩わしく感じますが、なぜそのような制度を設けているのでしょうか?

理由は「適切な月額料金を掲示するため」です。

カーリースは車の返却を前提としたサービスのため、リース会社は契約期間終了後の車の価値がいくらになるか(残存価格)を試算し、そこからリースの月額料金を決定します。

カーリースの月額料金=(契約時の車両価格ー残存価格+諸費用)÷リース期間

残存価格を決める際の指標の一つになるのが走行距離です。リース期間中の合計走行距離から車がどれくらい劣化するかを考えて残存価格を決めます。

もし走行距離制限がなければ残存価格を試算できず、適切な月額料金を掲示できません。以上のような理由から、多くのリース会社が走行距離契約を設けているのです。

乗り放題のカーリースのメリット・デメリット

乗り放題カーリースのメリット・デメリット

乗り放題のカーリースは、走行距離契約のあるカーリースとは異なるメリット・デメリットがあります。契約を検討している方は必ず確認しておいてください。

メリット①走行距離制限オーバーによる超過料金が発生しない

走行距離契約付きカーリースの場合、制限距離をオーバーすると契約満了時に超過料金を支払わなければいけません。超過料金の具体的な金額はリース会社によって異なりますが、相場は1kmあたり5円~15円です。仮に超過1kmあたり10円で3万kmオーバーした場合、30万円を支払わなければいけない計算です。

乗り放題のカーリースはこのような走行距離オーバーによる超過料金がないので、契約満了時の突発的な出費を防ぐことができます。

メリット②走行距離を気にせずに乗ることができる

メリット①にも関係しますが、乗り放題のため、日頃から走行距離を気にしながら運転しなければいけないという精神的ストレスがなくなります。特に仕事で長距離運転をする方やドライブが趣味な方などにとっては大きなメリットといえるでしょう。

メリット③契約満了時には車をもらえる場合もある

カーリースは返却を前提としたサービスです。しかし、乗り放題カーリースを提供している会社の例でもお伝えした通り、車をもらえるプランやオプションに加入していれば、最終的に車をもらうことができます。

また、そのようなプランの場合、原状回復費用の心配もありません。通常のカーリースでは、契約満了時に原状回復した状態で車両を返却する必要があるため、大きな傷や故障などがあると出費が発生するおそれがあります。一方、車がもらえるプランやオプションに加入していれば、最終的には車がもらえるので、原状回復費用は発生しないのです。

デメリット①契約期間が長くなる

乗り放題カーリースのデメリット1つ目は、契約期間が長くなることです。最短でも7年程度は乗り続けないといけないため、短期間で車を乗り換えたい方には向いていません。

デメリット②月々の支払額が高くなる

乗り放題カーリースのデメリット2つ目は、通常のカーリースよりも月額料金が高くなることです。

カーリースの月額料金=(契約時の車両価格ー残存価格+諸費用)÷リース期間

通常のカーリースは契約時の車両価格から残価を差し引いて計算されるため、安い月額料金で利用できます。一方、乗り放題カーリースは残価0円で計算するため、月額料金が高くなってしまいます。

乗り放題カーリースと通常のカーリースとの月額料金比較

(例)契約時の車両価格200万円、リース期間7年(84カ月)の場合 ※諸費用は考慮しない

  • 乗り放題カーリース(残価0円):(200万円-0円)÷84カ月=2万3,800円/月
  • 通常のカーリース(残価50万円設定):(200万円-50万円)÷84カ月=1万7,800円/月

乗り放題のカーリースがおすすめなのはどんな人?

乗り放題カーリースがおすすめな人を紹介する男性

乗り放題カーリースにはメリット・デメリットがそれぞれありました。では、どんな人が乗り放題プランに向いているのか、紹介していきたいと思います。

  1. 1. 走行距離制限を気にせずに乗りたい人
  2. 2. 最終的に車をもらいたい人

①走行距離制限を気にせずに乗りたい人

車を頻繁に利用する人、走行距離制限を気にせずに乗りたい人には、乗り放題プランがおすすめです。ただし、1つ注意点があります。

それは、本当に乗り放題プランでないとダメなのか?という点です。

「自分は車をよく運転するから乗り放題プランがいいと思っていたけど、実は通常のプランでも大丈夫だった」

このようなケースもあります。

乗り放題プランにするかどうか迷っている方は、まずリース会社が設定する走行距離制限を確認した上で、自分は制限距離内に収まるかどうかを確認しましょう。

リース会社が設定する走行距離制限はどのくらい?

大手リース会社が設定する年間の走行距離制限をみてみます。

  • コスモMyカーリース:6,000km/12,000km/18,000kmから選べる
  • 定額カルモくん:18,000km
  • SOMPOで乗ーる:12,000km/18,000km/24,000km/36,000kmから選べる
  • カーコンカーリース:12,000km/24,000km(プランによって異なる)
  • ニコニコカーリース ニコノリ:6,000km~(ユーザーの希望に応じて上限変更可能)

上記カーリースの走行距離制限レンジは月換算で500km~3,000kmとなり、月間3,000km程度までなら通常のプランでも対応できることがわかります。

あなたは普段どれくらいの距離を運転するか?車の用途別で見る年間走行距離の比較

次に、あなたが普段どれくらいの距離を運転するか考えてみましょう。距離は車の使用用途や頻度によって変わってくるはずです。

(例)平日は往復60kmの通勤時に使用、休日は近場の買い物等(往復10km程度)で使用

  • 平日:60km×月20日出勤=1,200km
  • 休日:10km×月10日=100km
  • 合計:1,300km/月(15,600km/年)

(例)平日は往復20kmの通勤時に使用、休日は中距離ドライブ(往復100km程度)で使用

  • 平日:20km×月20日出勤=400km
  • 休日:100km×月10日=1,000km
  • 合計:1,400km/月(16,800km/年)

このような感じで計算すれば、自分の月間走行距離がだいたい把握できると思います。

ちなみに参考として、ソニー損保が実施した調査「2022年 全国カーライフ実態調査」の年間走行距離平均は6,727km(月間約560km)でした。また、一般社団法人 日本自動車工業会が実施した調査「2021年度乗用車市場動向調査」では月間走行距離300km以下が最も多く6割弱という結果でした。

これらの結果から、日常使い程度であれば通常のプランでも十分で、比較的ヘビーな使い方をする方でも対応できる可能性があります。

②最終的に車をもらいたい人

乗り放題カーリースの中には、最終的に車がもらえるプランもあります。契約満了後は車を返却するのではなくもらいたい方は、乗り放題カーリースを検討してみてもいいでしょう。

月額料金を抑えたい方は走行距離制限のあるカーリースがおすすめ

反対に、リース会社が規定する走行距離制限内に収まりそうで、リース月額料をなるべく抑えたい方は通常のカーリースを選ぶことをおすすめします。走行距離制限があるカーリースは残存価格を設定する分、乗り放題カーリースと比べて確実に月額料金は安くなります。

注意点:近い将来、ライフスタイルの変化がないかを確認

走行距離制限のある通常のカーリースを選ぶ際は、近い将来、ライフスタイルの変化がないかを確認しておいてください。

たとえば、転職の予定があり通勤距離が伸びそうな方や親の介護等で遠く離れた実家に通わなければいけなくなりそうな方などは、予想していた以上に走行距離が伸びるおそれもあります。

カーリース契約時に走行距離を選ぶ際は、そういったライフスタイルの変化も考慮しましょう。

月額料金を抑えたいし、距離も気にせず乗りたい方は「乗り放題中古車リース」の検討も

中古車リースの中には、最初から走行距離制限を設けていないものもあります。新車リースと比べて月額料金はお得ですし、距離を気にせずに乗りたい方は「乗り放題の中古車リース」を検討してみてもいいでしょう。

まとめ:乗り放題のカーリースを選ぶ際は、メリット・デメリットを把握しておく

乗り放題のカーリースを契約して運転を楽しむ家族

一部リース会社は乗り放題プランを用意しています。乗り放題のカーリースは距離を気にせず自由に乗れますし、走行距離制限オーバーによる超過料金が発生することもありません。また、最終的には車がもらえるプランもあり、そのようなプランは原状回復の必要がないのもメリットです。

一方で、契約期間が長い、月額料金が高くなるといったデメリットがあることも忘れてはいけません。

乗り放題カーリースに関しては、こうしたメリット・デメリットを考慮した上で契約するかどうかを決めましょう。

竹内一生

【プロフィール】
竹内 一生2016年より専業Webライターとして活動開始。企業のWebメディアでSEO記事を中心に執筆中。一次情報を元にした正確な情報収集、ペルソナが求める情報の抜粋、読みやすく簡潔な文章作成を得意とする。車関連では、エイチームの「ナビクルcar」で2年の執筆経験あり。

お役立ちコラム一覧へ