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金利って何?利率との違いは?

金利とは、「借りたお金に対する利息の割合」を指します。
借りたお金は利子をつけて返済しますが、利子がいくらになるかを示すのが利率です。利率と金利はほぼ同じ意味ですが、〇%など具体的な数字を示す場合は「利率」、支払う利息そのものが「金利」として分けられるのが一般的です。利息とは、借りたお金を分割払いする際の手数料のようなものです。
利率は1年間で発生する利息の割合を示すことが一般的であり、「年利」と呼ばれることもあります。
そして、金利には「変動金利」と「固定金利」という2つの種類が存在しています。
変動金利とは
変動金利は、借入期間中に適用される金利が変動するタイプの金利です。
借入後は半年に一度、適用金利の見直しが行われるものが多く、返済の途中であっても利率が変動することがあります。
変動金利のメリットは低金利の状態であれば固定金利よりも利率が低く設定されていることですが、適用金利が上昇した場合には固定金利よりも利率が高くなるケースもあります。
銀行系のカーローンにはキャンペーン金利が設定されていることもあります。そのキャンペーン金利は通常の金利より料率が低く抑えられていて、変動金利であることがほとんどです。
固定金利とは
固定金利は、借入した時点から金利がずっと一定になるタイプの金利です。
市場の金利の動向に影響されることなく、同じ利率が維持されます。契約時は変動金利よりも高い利率ですが、契約期間中に金利が上がったとしても変動することはありません。ただし、金利が下がった場合は損をするリスクもあります。
返済額が一定になることで、返済する際の計画が立てやすいメリットがあります。
ほかにも、返済方法として「元利均等方式」と「元金均等方式」があります。
元利均等方式とは
元利均等方式とは、毎月のローン返済額が一定になる返済方法のことです。
返済額が一定なので返済の契約が立てやすく、返済開始当初の返済額を少なくできるメリットがあります。一方で、同じ借入期間であれば元金均等方式よりも総返済額が多くなり、借入金残高が減りにくいというデメリットもあります。
元金均等方式とは
元金均等方式とは、支払い返済額のうち元金の額が一定になる返済方法のことです。
返済が進むにつれて返済額が少なくなり、同じ借入期間であれば総返済額は元利均等方式に比べて少なくなります。ただし、返済開始直後の返済額が最も高く、負担が重くなってしまうという特徴があります。
では、カーリースとカーローンの金利にはどういった違いがあるのか、詳しく比較していきます。
カーリースとカーローンの金利を比較

カーリースと同じく毎月お金を支払っていくものにカーローンがありますが、それぞれにどんな違いがあるのか、それぞれの金利について説明していきます。
カーリースの金利について
結論を先にいうと、カーリースに金利という概念はありません。
そもそもカーリースは、借りた車に対してお金を支払うサービスだからです。金利はお金を借りたときに発生するものであり、カーリースはお金を借りるわけではないので、金利はつきません。
ただし、当然ながらカーリースも利益を上げる必要があり、それは毎月のリース料金に含まれています。その金額を算出する際に金利を用いるカーリース会社の場合、実質的には金利がかかっているといえます。また、金利ではなく、「手数料」としてリース料金に含める会社もあります。
なお、毎月のリース料金には各種税金や自賠責保険料なども含まれているので、金利や手数料は公開されていないことがほとんどです。
カーローンの金利について
一方のカーローンは、車を購入するのに信販会社などから「お金を借りる」ために、金利が発生します。
利率は購入先によって異なりますが、その目安は以下のとおりです。
利率 | 備考 | |
---|---|---|
銀行系 | 1~4% | 審査は厳しいが金利は低い |
ディーラー系 | 4~8% | ディーラーで購入 |
残価設定 | 3~5% | カーリースと同じ仕組みで、ディーラーで残価を設定したうえでローンを組む |
自社ローン | なし | 販売店独自のローン、中古車が中心 |
カーローンの主流は、銀行系ローンとディーラー系ローンです。
銀行系ローンとは、大手銀行、地方銀行、信用金庫などが取り扱っているマイカーローンのことで、ディーラー系ローンと比べて利率が低い傾向にあります。しかし、ディーラー系ローンや自社ローンと比べると審査が厳しく手続きも多いデメリットがあります。
ディーラー系ローンは、提携先の信販会社とディーラーが契約を結んでいるものです。審査に通りやすく、車の購入時は手軽に利用ができます。しかし、銀行系ローンと比べて利率は高い傾向にあります。
では、カーリースとカーローンの総額にはどのような差があるのか、シミュレーションを使って詳しく比較していきます。
カーリースとカーローンの総額をシミュレーション

カーリースとカーローンの総額を、シミュレーションで比較します。
そもそもカーローンを利用する際は利子を含めた金額が予算内におさまらないと、購入後の支払いが大変です。カーローンは利率が高いと負担も大きくなってしまうことから、利率を把握しておくことで、予算内におさめやすくなります。
シミュレーションに使用する車は、「トヨタ・ヤリス」でグレードは「G」、オプションなしです。カーローン、カーリースともに7年(84回払い)で、頭金やボーナス払いはないものとして想定します。カーローンの年率は「6.8%」です。
カーリースは「コスモMyカーリース」で、プランは「シルバーパック」です。シルバーパックの毎月のリース料金には各種税金、自賠責保険料、車検費用、点検、オイル交換が含まれているほか、ガソリン代が割引されます。
【トヨタ・ヤリスの支払い総額シミュレーション】
内訳 | カーリース | カーローン | |
---|---|---|---|
車両本体価格 | 179万9,000円 | 179万9,000円 | |
割賦手数料 | - | 46万6,985円 | |
本体のみの総額 | 179万9,000円 | 226万5,985円 | |
初回支払額 | 3万4,320円 | 3万3,285円 | |
毎月の支払額 | 2万6,900円 | ||
初期費用 | 初回の税金、保険など | リース料金に含まれる | 16万6,640円 |
維持費 | 自動車税種別割 | 18万3,000円 (3万500円×残り6年) |
|
車検費用 | 10万7,060円 (5万3,530円×2回) |
||
オイル交換(年2回) | 4万7,054円 (3,361円×14回) |
||
オイルフィルター交換(年1回) | 7,700円 (1,100円×7回) |
||
総額 | 288万2,880円 | 277万7,439円 |
※金額は2023年7月時点
※4月に購入したものとして計算
上記の表から、カーローンの方が毎月の支払額も総額も安いことがわかります。
ただし、カーローンは初期費用としてまとまった金額が必要となります。また、購入後に各種税金や車検・メンテナンス費用などが発生するので、常に金銭的に余裕を持たせておかなければなりません。税金の支払いも自分で行うことから、時間的な余裕も必要です。
一方のカーリースは各種税金や車検費用等を毎月の料金に含めることができるため、家計の管理がしやすいといえます。また、税金の支払いはリース車の所有者であるカーリース会社が行うので手間もかからないのです。
では、カーローンの利率が異なる場合は月々の返済額や総額はどのように変化するのか、そちらもシミュレーションしてみましょう。
カーローン、利率による総額の違い
ここでも同様に、「トヨタ・ヤリス」のグレード「G」、オプションなしをモデルにシミュレーションしていきます。車両本体価格は179万9,000円です。
返済期間は5年、頭金やボーナス払いなしを想定しています。
【トヨタ・ヤリスの返済額の一例】
利率 | 2% | 4% | 6% |
---|---|---|---|
毎月の返済額 | 3万1,549円 | 3万3,149円 | 3万4,799円 |
返済総額 | 189万2,995円 | 198万8,980円 | 208万7,940円 |
利息額 | 9万2,995円 | 18万8,980円 | 28万7,940円 |
上記のようにヤリスを180万円のフルローンで購入、元利均等返済かつボーナス払いなしの5年ローンで借り入れる場合、利率2%で月々の返済額が3万1,549円、60回払いしたときの返済総額は189万2,995円です。つまり、元金に対して9万2,995円の利息を上乗せする必要があります。
利率4%のときは月々3万3,149円、総額は198万8,980円であり、利息額は18万8,980円です。利率6%では月々3万4,799円、総額208万7,940円、利息28万7,940円です。
利率2%と比べると月々の返済では1,500円から3,000円ほどしか変わりませんが、総額や利息額で比較すると大きな差が生まれることが分かります。
金利のないカーリースの場合、どんな種類の手数料がある?

先述したとおり、利益を「手数料」として毎月の料金に含んでいるカーリース会社もあり、その手数料には主に以下のようなものがあります。
- 事務サポート料:リース車の契約手続きなど
- 仲介手数料:リース料金の回収、事故報告の受付など
- お客様サポート:交通事故発生時の相談や対応など
まとめ:カーリースを検討してみよう

カーリースは、カーローンと違って金利や利率という概念が存在しません。
カーリースとカーローンでは仕組みは全く異なりますが、高い利率のカーローンを利用する場合はカーリースの方が安くなることもあります。
初期費用を抑えたい人や新車に乗り続けたい人にはカーリース、車を所有してカスタマイズや売却したい人、走行距離を気にせずに走りたい人にはカーローンが向いています。
気になるカーリースがあれば、まずはカーリースの窓口に相談してみてください。

【プロフィール】
近藤 大助自動車メディアでの執筆経験は約5年。エイチームの「ナビクルcar」や「トヨタの中古車アプリ・remobii」の記事のほか、八重洲出版のバイク専門誌「モーターサイクリスト」、中古車ガリバー、Keeper Proといった大手の出版社や企業の記事を執筆。「Yahoo!ニュース」掲載経験あり。
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