目次

カーリースに年齢制限はある

結論を先にいうと、カーリースにも年齢制限はあります。
利用できるカーリースの年齢はある程度は決まっていて、18~75歳としているカーリース会社が多いようです。未成年者や高齢者は利用できないことも多いですが、カーリース会社によって対応は異なります。
カーリースに年齢制限が設けられている理由は、以下の通りです。
- 1. 運転能力でのリスクがある
- 2. 支払いできない可能性がある
上から順番に説明していきます。
理由①:運転能力でのリスクがある
1つめの理由は、運転能力におけるリスクです。
未成年や高齢者は、ほかの年齢層と比べて事故を起こしやすい傾向にあります。警察庁が公表する令和3年度の免許保有者10万人あたりの事故件数でも、未成年者を含む若年層や高齢者層の事故件数が多いことがわかっています。

※警察庁「令和3年中の交通事故の発生状況」を基に筆者が作成
未成年者の場合は運転経験が浅く、技術面が不足していることから「事故を起こす確率が高い」と考えられています。高齢者は老化による身体や脳の機能低下などによって、危険の認識が遅れて交通事故を起こすリスクがあります。
以上のような理由により、未成年や高齢者は年齢制限によってカーリースを利用できない場合があります。
理由②:支払いできない可能性がある
2つめの理由は、支払い能力です。
未成年や高齢者は、支払い能力が低いと判断されてしまう傾向にあります。
未成年の場合、学生さんも多いことから「収入が安定しないので、支払いを続けられるのか不安がある」「収入が少ない」といった不安要素があります。一方の高齢者は、定年退職したあとで「年金生活者が多く、安定した収入を得にくい」と判断されてしまうことがあるのです。
上記のように支払い能力でのリスクがあるため、多くのカーリースでは年齢制限が設けられています。
では、カーリースの年齢制限をクリアしたあとの審査に通過するにはどうすればいいのか、通りやすくするためのポイントについてお話しします。
カーリースの年齢制限クリア後の審査に通りやすくするには?

カーリースの年齢制限をクリアしたあと、審査に通りやすくするためのポイントは以下の通りです。
- 1. リース料金を安くする
- 2. 信用情報を確認しておく
- 3. 連帯保証人をみつけておく
上から順番に詳細を見ていきましょう。
ポイント①:リース料金を安くする
1つめのポイントは、リース料金を安くすることです。
乗りたい車のリース料金と収入のバランスが悪いと、支払い能力を不安視されて審査に通りにくくなるからです。逆に毎月のリース料金が安いと、収入が低くても支払い可能と判断される可能性があります。
具体的には、以下の方法でリース料金を安くすることができます。
- 新車ではなく中古車を選ぶ
- 頭金を多く入れる
- 安い車種やグレードにして、オプションは少なくする
カーリース各社のホームページには「お試し審査」が用意されていることが多いので、気になるサービスがあれば、まずは利用してみましょう。申し込んだ段階では本契約にはならず、申し込み後に車種を変更したりキャンセルしたりすることが可能です。
ポイント②:信用情報を確認しておく
2つめのポイントは、信用情報の確認です。
たとえ年齢制限に引っかからなかったとしても、カーリースの審査に通らないことがあります。過去に、ローン返済やクレジットカード・携帯電話料金の支払い遅延や滞納があった場合などは審査に通らないことがあります。
上記のような信用情報が心配であれば、カーリースの審査を申し込む前に自分の情報を確かめておきましょう。株式会社日本信用情報機構(JICC)や株式会社シー・アイ・シー(CIC)などに問い合わせることで信用情報を確認することができます。
ポイント③:連帯保証人をみつけておく
3つめのポイントは、連帯保証人の存在です。
たとえ年齢制限をクリアできたとしても、安定した収入を得られない学生さんや高齢者の方は審査に通りにくい傾向にあります。
しかし、連帯保証人がいれば、万が一契約者が支払いできなくなったとしても保証人に支払ってもらうことができるので、審査に通る可能性は高くなります。
次に、年齢制限にかかりやすい人がカーリースを利用する際、どのような点に注意するべきなのかご紹介します。
年齢制限にかかりやすい人がカーリースを利用する際の注意点

年齢制限にかかりやすい人がカーリースを利用する際の注意点は、以下の通りです。
- 1. 任意保険に加入する
- 2. 車の乗りすぎに注意
- 3. リース車を丁寧に扱う
これらはカーリースを利用する全ての方にいえることですが、年齢制限にかかりやすい人は特に注意すべき内容です。それでは、上から順番に説明していきます。
注意点①:任意保険に加入する
1つめの注意点は、任意保険への加入です。
カーリースのリース料金に含まれている自賠責保険では、補償の内容が不十分です。そもそも自賠責保険とは、法律で加入が義務付けられている保険のことであり、強制保険とも呼ばれます。被害者救済のための保険なので、基本的な対人賠償の確保しか想定されていません。
自賠責保険から支払われる傷害に対する限度額は被害者1名につき120万円、後遺障害では同じく4,000万円です。入院や通院を通して発生した損害額として補償されますが、上限の超過分は自賠責保険からは支払われません。
任意保険に加入していない場合は、超過分は加害者本人に請求されてしまいます。一方で任意保険に加入していれば、この超過分や対人以外も補償してもらえます。
以上の理由から、万が一の事故に備えるためには任意保険に加入しておきましょう。
注意点②:車の乗りすぎに注意
2つめの注意点は、リース車の乗りすぎです。
そもそもカーリースには走行距離制限があるため、リース期間満了後に定められた走行距離を超過していると超過料金を請求されます。カーリース会社によって異なりますが、一般的な走行距離制限は月間1,000~1,500km程度、請求される超過料金は1kmあたり5~15円が目安です。
たとえば、超過1kmあたり10円を請求されるカーリースを利用していて、契約満了時に1万kmを超過している場合には10万円の超過料金が発生します。つまり、リース車の乗り方によっては契約満了後に多額の費用を請求されてしまうこともあるのです。
上記の理由から、リース車の乗りすぎには注意してください。
注意点③:リース車を丁寧に扱う
3つめの注意点は、リース車の扱い方です。
使用するリース車は、カーリース会社から借りているものです。そのため、リース契約満了後には返却する必要がありますが、返却されたリース車の多くは中古車として販売、あるいはレンタカーとして利用されます。
リース車にキズや凹みがあると中古車市場での価値が下がってしまうため、必ず修復して原状回復する必要があり、そのための修理代は契約者が支払わなければなりません。リース期間満了後に修理代を請求されると大きな負担になってしまいます。
よって、リース車の利用時は丁寧に扱うことを心がけましょう。
最後に、年齢制限にかかりやすい人がカーリースを利用するメリットをご紹介します。
年齢制限にかかりやすい人がカーリースを利用するメリット

年齢制限にかかりやすい人がカーリースを利用するメリットは、以下の通りです。
- 1. 初期費用がかからない
- 2. 家計管理がしやすい
- 3. 車に詳しくなくても乗れる
上から順番に見ていきましょう。
メリット①:初期費用がかからない
1つめのメリットは、初期費用がかからないことです。
特に未成年者は就職やアルバイトである程度の収入があったとしても、貯蓄まで手が回らないことも多いでしょう。現金一括はもちろん、カーローンで購入する場合であっても、頭金をはじめ各種税金や自賠責保険料、手数料など多くの初期費用が必要になります。
しかし、カーリースなら初期費用なしでも利用することが可能です。毎月のリース料金には、各種税金や自賠責保険、維持費の一部も含まれています。
年齢制限にかかりやすい人こそ、カーリースをおすすめします。
メリット②:家計管理がしやすい
2つめのメリットは、家計の管理がしやすくなることです。
カーローンの場合は、初期費用や月々のローン料金だけでなく、契約期間中の自動車税や自賠責保険料、車検やメンテナンス費用が別途必要となります。これらの費用は定額ではないので、月によっては多額の支払いが発生してしまいます。
一方のカーリースの場合、自動車税や自賠責保険料だけでなく、車検やメンテナンス費用も毎月のリース料金に含めることが可能です。突発的な出費が少ないこともカーリースの特長といえるでしょう。
アルバイトや年金などで生活している方にも、出費を管理しやすいカーリースをおすすめします。
メリット③:車に詳しくなくても乗れる
3つめのメリットは、車に詳しくなくても乗れることです。
理由は、以下の通りです。
- サポート体制が充実しているカーリースもある
- メンテナンスリースなら整備なども任せられる
万が一の事故や故障など、困ったときに相談できるサポートデスクのあるカーリースであれば、知識の少ない未成年でも安心です。サポートデスクのスタッフは車の知識が豊富なので、的確なアドバイスを受けることができます。
また、メンテナンスリースを契約していると車検の時期には通知がありますし、整備してもらえるお店や整備工場などを自分で探す必要がありません。
車の知識に不安がある未成年の方でも、カーリースなら手軽に利用できます。
まとめ:年齢制限が不安な人こそカーリースがおすすめ

多くのカーリースはカーローンよりも年齢制限の基準が低く、毎月の支払いも一定なので、年齢制限が不安な人にこそおすすめのサービスです。
ただし、カーリースは原則として中途解約ができません。もし、本人の死亡や長期入院といった特別な事情があって中途解約が認められても、残りの期間のリース料金をまとめて一括払いする必要があります。契約期間や契約内容を踏まえたうえで、契約するようにしましょう。
「長期プランを利用するのは不安」という高齢者には、1年から利用できる短期カーリースという選択肢もあります。毎月のリース料金は上がりますが、短い期間で利用できるので、免許証の返納を視野に入れている場合でも安心です。
学生向けプランや高齢者向けサポートが用意されているカーリースもあるので、そういったカーリースを利用するのもおすすめです。

【プロフィール】
近藤 大助自動車メディアでの執筆経験は約5年。エイチームの「ナビクルcar」や「トヨタの中古車アプリ・remobii」の記事のほか、八重洲出版のバイク専門誌「モーターサイクリスト」、中古車ガリバー、Keeper Proといった大手の出版社や企業の記事を執筆。「Yahoo!ニュース」掲載経験あり。
SHARE