カーリースの車検は誰が行う?費用はどうなるの?

カーリースを使用するうえで気になるのが車検。マイカーでも車検の時期になると大きな負担がかかるため、対応や費用について知りたいと思う人も多いのではないでしょうか。そこで今回の記事は、カーリースの車検の仕組みや費用についてお話していきます。

カーリースの車検は誰が行うの?

車検のステッカー

カーリースの車検は、契約者が行う必要があります。

車検を実施するのはカーリース会社が指定する整備工場で、契約者は車検満了日までに必要な書類をそろえて車を持っていかなければなりません。

カーリース会社の多くは、車検の時期が近づくと契約者に通知しています。

そもそも車検とは?

車検とは、法律で義務づけられた制度のことです。

正式には「自動車検査登録制度」といいますが、車を安全に利用するため国が定めたさまざまな基準に適合しなければ、通過することはできません。

普通乗用車では、新車登録からは3年後、以降は2年ごとに車検を受けるように決められていて、期間満了日の1カ月前から受けることができます。

たとえば有効期限が4月1日であれば、3月1日から4月1日の間に車検を受けると2年後の4月1日が次の車検満了日です。車検満了日の1カ月前を待たずに車検を受けることも可能ですが、次の満了日までの期間は短くなってしまいます。

ちなみに、「車検を受けていない」「車検の期限が切れている」といった状態で公道を走ることは道路交通法違反です。「違反点数6点・30万円以下の罰金」のほか、自賠責保険が同時に切れることがほとんどなので「違反点数6点・50万円の罰金」も加わります。

カーリースも例外ではなく、車検を受ける必要があります。

車検に必要なものは?

車検に必要な書類は、以下のとおりです。

  • 自動車車検証
  • 自動車納税証明書/軽自動車税納税証明書
  • 自動車損害賠償責任保険証明書(自賠責保険証明書)
  • 印鑑
  • 車検代金

上記は、お店や整備工場で車検を受ける場合に必要なものです。カーリースで車検費用が月々のリース料に含まれている場合は、車検代金は不要です。

自ら車検場へ行く場合は、上記とは別に以下のものが必要になります。

  • 自動車検査票
  • 自動車重量税納付書
  • 継続検査申請書
  • 定期点検整備記録簿

これらの書類は、車検場がある管轄の陸運局で発行していますので、車検を受ける当日でも入手が可能です。

カーリースの車検の流れ

一例ですが、カーリースでは以下の流れで車検を受けます。

【メンテナンスリースの場合】

  • 車検の時期が近づき、カーリース会社から通知を受ける
  • カーリース会社が指定する整備工場に予約を入れる
  • 予約日に車を整備工場まで持っていき、受付を済ませる
  • 点検を受けて、必要な箇所は整備してもらう
  • 整備終了後、新しい車検証や車検満了日が記載されたステッカーを受け取る

【車検を含まないファイナンスリースの場合】

  • 車検の時期が来る前に、車検を受ける整備工場やディーラーを探す
  • 見積りを取る
  • 金額に納得できれば、事前に車検の予約を済ませる
  • 予約日に車を予約したお店まで持っていく
  • 点検や整備を受ける
  • 新しい車検証やステッカーを受け取る

通知の方法は、案内のハガキや電話、メールなどが一般的です。

メンテナンスリースは指定の整備工場で車検を受けることが一般的で、ファイナンスリースは自分で選んだお店や整備工場で車検を受けます。

では、カーリースの車検の費用はどのようになっているのか、次で解説します。

カーリースの車検、費用はどうなる?

車検費用の計算と見積り書

カーリース会社やプランによって、費用は異なります。

そもそもカーリースのプランは大きく2種類あります。

  • ファイナンスリース:各種税金、自賠責保険などがリース料に含まれ、車検・整備費用はリース料に含まれない
  • メンテナンスリース:各種税金、自賠責保険などのほかにも車検・整備費用もリース料に含まれる

メンテナンスリースであれば、どのカーリース会社でも車検の費用はリース料に含まれます。ほかにも、整備費用が含まれますが、内容は各カーリース会社で異なります。カーリース会社が定めている基本整備以外の部品交換や修理については、契約者が負担することもあります。

車検の内訳は?

車検に必要な費用は、以下のとおりです。

内訳 内容
法定費用 自動車重量税 自動車の重さにかかる税金
自賠責保険料 法律で定められた被害者救済のための保険
印紙代 車検証や明細書などの発行手数料
車検基本料 点検整備料 点検や整備にかかる費用
代行手数料 車検の手続きにかかる手数料
整備費用 部品代 整備を要する部品の費用
工賃 部品の交換作業にかかる費用

すべてではありませんが、車検に必要な費用は概ね上記のとおりです。

部品の交換がない場合、軽自動車で6~7万円、普通車で8~10万円が車検の相場です。

では、カーリースのリース料に車検が含まれるとどういったメリットがあるのでしょうか。

カーリースに車検が含まれることのメリット

車検に払うまとまったお金

カーリースのリース料に車検費用が含まれるメリットは、以下のとおりです。

  1. 1. まとまったお金が不要
  2. 2. 整備費用が高額になるのを防げる
  3. 3. 契約満了後、状態の悪さで価値を下げない

上から順番に説明していきます。

メリット①:まとまったお金が不要

車検費用込みのカーリースのメリットは、まとまったお金が不要なことです。

そもそも車検を受けると多額の費用が必要なので、リース料に車検費用が含まれていないと急に大きな出費が発生します。

たとえば、「毎月5万円のリース料なのに、車検の月だけ15万円の支出がある」というように、車検のある月だけ出費が膨らみます。一方で月々のリース料に車検費用が含まれていると、出費は一定で済みます。

まとまったお金を払いたくないのであれば、車検費用込みのカーリースがおすすめです。

メリット②:整備費用が高額になるのを防げる

2つめのメリットは、整備費用が高額になるのを防げることです。

メンテナンスリースの場合、車検費用のほかに消耗品の交換や修理といった費用も月々のリース料に含まれます。カーリースの車に不具合が発生してもその都度修理できるので、車検のときにまとめて整備する必要はありません。

一方で普段からメンテナンスを受けていない車は、車検のときにまとめて整備する必要があります。しかし、まとめて整備すると車検の費用も大きく膨れ上がってしまうのです。

車検時の出費を抑えたいのであれば、メンテナンスリースの契約をおすすめします。

メリット③:契約満了後、状態の悪さで価値を下げない

3つめのメリットは、契約満了後にリース車の状態の悪さで価値を下げないことです。

そもそも車の価値は、年式や走行距離以外に「コンディションの良さ」も含まれます。つまり、普段からメンテナンスが行き届いている車はコンディションが良いので、高く売ることができます。

メンテナンスリースを契約している車は、車検にとおりやすいだけでなく整備も行き届いているので、良好なコンディションを維持できるのです。

リース車を買い取る予定がある人にも、メンテナンスリースをおすすめします。

カーリースに車検が含まれることのデメリット

車検を受けるお店を探す様子

カーリースに車検が含まれることのデメリットです。

  1. 1. 整備・点検が別費用になることがある
  2. 2. 月々のリース料は高くなる
  3. 3. 自分で車検を受ける場所を選べない

上から順番に見ていきましょう。

デメリット①:整備・点検が別費用になることがある

1つめのデメリットは、整備・点検が別費用になることがあることです。

カーリース会社によってメンテナンス項目が異なるため、対象外の整備・部品に関しては別途料金がかかる場合があります。契約時にメンテナンス内容もしっかりと確認して判断する必要があります。車検はあくまでも公道を走るための制度であり、整備はまた別物ですのでご注意ください。

車検や整備・点検といった費用もリース料に含めるのなら整備・点検内容も確認の上、メンテナンスリースを契約するようにしましょう。

デメリット②:月々のリース料は高くなる

2つめのデメリットは、月々のリース料が高くなることです。

ファイナンスリースは車検・整備・点検費用が含まれませんが、メンテナンスリースにする場合はそういった費用も含まれるため月々のリース料が上がります。

仮に新車を選んでリース契約期間中に何も問題がなかった場合は、メンテナンスリースの方が総額は高くなってしまうのです。

一方で、メンテナンスリースは大きなトラブルがあったときなどのサポート体制が整っている場合も多く、中古車など不具合が多いリース車でも対応してもらえます。自分の状況に応じた選択をしましょう。

デメリット③:自分で車検を受ける場所を選べない

3つめのデメリットは、自分で車検を受ける場所を選べないことです。

車検もメンテナンスもカーリース会社が指定する整備工場で行う必要があるため、自分では選べないのです。

一方で車検がメンテナンスに含まれていない場合は、契約者自身が選んだディーラーや整備工場で車検を受けることができます。整備工場やガソリンスタンドなどで早めに予約する早割などの特典や、自分で車検場まで行って車検を受けるなど、車検・整備費用を安く抑えることも可能です。

交換する部品の銘柄も選べるので、より耐久性のあるものや安いものまで契約者自身が選ぶことができます。

自分で車検を受ける場所を選ぶなら、車検を含まないファイナンスリースがおすすめです。

まとめ:カーリースの車検は契約内容や費用の確認が大切

カカーリースの契約内容をチェック

カーリースの車検は、契約時に内容や費用を確認しましょう。

そもそもファイナンスリースとメンテナンスリースでは車検・整備・点検が含まれているか否かが違うので、リース料も大きな差が出ます。

カーリースの多くはファイナンスリースとメンテナンスリースという選択肢ですが、契約期間中にプランを変更できないことが多いので、たとえばファイナンスリースに車検が含まれていないからといって、途中でメンテナンスリースにすることはできません。

契約内容をよく把握していないために、損をすることがあるので、契約書にはきちんと目を通しておきましょう。

カーリースとともにステキなカーライフを満喫してください。

近藤大助

【プロフィール】
近藤 大助自動車メディアでの執筆経験は約5年。エイチームの「ナビクルcar」や「トヨタの中古車アプリ・remobii」の記事のほか、八重洲出版のバイク専門誌「モーターサイクリスト」、中古車ガリバー、Keeper Proといった大手の出版社や企業の記事を執筆。「Yahoo!ニュース」掲載経験あり。

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