カーリースの車は買取りできる?リース終了後の選択肢は?

カーリースの車を買取りできないのか気になる人も多いと思います。買取りできるのであれば、購入と比べたいと考えていませんか。そこで今回の記事では、カーリースの車は買取りできるのか、リース終了後にはどんな選択肢があるのかご紹介していきます。

カーリースは返却が前提

買取りできないと伝える女性

カーリースは、契約期間満了時に返却することが前提となります。

そもそもカーリースの車は、カーリース会社が所有しているからです。カーリース契約者は月々定額のリース料を支払って長期的に借りるサービスであり、リース期間は契約時に決めます。リース期間が満了を迎えると、車はカーリース会社に返却します。

返却されたカーリースの車は、中古車として販売されることが一般的です。

カーリースの契約時には車の残存価格(リース契約満了時点の予想価格:以降、残価)を設定して、車両本体価格や諸費用の合計からその残価を差し引いた金額を、契約者は毎月支払っていきます。高年式・低走行距離であるほど車の価値は高いので、売却時点での車の価値が下がらないようにするために、走行距離制限や原状回復などが設定されているのです。

上記のような背景から、カーリースの多くは返却が前提となります。

カーリースの契約タイプは2種類

カーリースの契約タイプは、主に2種類あります。

  1. 1. オープンエンド方式
  2. 2. クローズドエンド方式

車の買取りが可能かどうかは両者のどちらが採用されているかによっても異なるので、それぞれの詳細を順番に説明していきます。

契約①:オープンエンド方式

オープンエンド方式は、車の買取りが可能な契約です。

リース契約時に残価は公開され、契約満了時には買取り価格を改めて計算します。リース契約満了時の残価が契約時に設定していた残価を上回っていれば、差額を受け取ることができます。逆に契約時の残価を下回っていれば、差額を支払わなければなりません。

ただし、リース契約満了時の残価を支払うことで、カーリースの車を買い取ることができます。車の買取りや差額の返金が前提なら、オープンエンド方式が向いています。

契約②:クローズドエンド方式

クローズドエンド方式は、リース契約満了時の残価が公開されない契約です。

リース契約時の残価は設定されますが、契約満了時の車両価格が公開されることはありません。そのため、リース契約満了時に追加料金が発生することもなければ、逆に差額が戻ってくることもないのです。

ただし、カーリースの車に大きな損傷などがあった場合は原状回復費用がかかることもあるので、車の取り扱いには注意が必要です。

カーリースの利用が初めてであれば、追加料金が発生しないクローズドエンド方式が向いています。

リース車両を買取りできるカーリースはある?

カーリースの車を手に入れたいイメージ

先述のオープンエンド方式を採用するカーリース、あるいは一部のクローズドエンド方式のカーリースであれば、カーリースの車を買い取ることもできます。ほかにも、買取り可能なプランが用意されているカーリース、オプションを付けることによって車がもらえるカーリースなどもあります。

しかし、多くのカーリースはリース契約後の買取りを採用していません。

たとえ買取りできるプランやオプションがあったとしても、長期契約が前提であったり毎月のリース料が割高であったりするなど、何かしらの条件を満たす必要があります。

では、カーリース契約満了後はどのような選択肢があるのか、詳しく見ていきましょう。

リース契約満了後の選択肢は?

リース契約満了後の主な選択肢は、以下のとおりです。

  1. 1. 車を返却してカーリースの契約を終える
  2. 2. カーリース契約を継続する
  3. 3. 新契約にして新車に乗り換える

上から順番に説明していきます。

選択①:車を返却してカーリースの契約を終える

1つめの選択肢は、車を返却してカーリースの契約を終わらせることです。

カーリースの車を返却したあとにカーリースを利用しないのであれば、契約を満了させます。ただし、契約満了時に車にキズや凹みがあると原状回復費用が必要になるほか、走行距離制限を超過している場合は追加金を請求されます。

契約満了後にリースしていた車を購入する場合は元契約者が所有することになるので、上記の費用を請求されることは一般的にありません。

選択②:カーリース契約を継続する

2つめの選択肢は、カーリース契約の継続です。

現在リースしている車が気に入っているのであれば、車を返却せずにそのまま乗り続けることもできます。次の車を探す手間はかかりませんし、返却時の精算も先送りできます。

ただし、継続する場合はリース料の支払いも続きます。同時に、カーリースの車は自分の所有物にはならない点にも注意が必要です。

選択③:新契約して新車に乗り換える

3つめの選択肢は、新車への乗換えです。

カーリースの車を返却して、新規で車をリースします。最初の契約と同じで、再び車種やグレード、オプションのほか、リース期間なども選択します。

車の購入なら手続きを自分で行うため手間がかかりますが、カーリースならネットの手続きだけで簡単に済ませることが可能です。

では、買取り可能なカーリースの場合、リース車を買い取るメリットやデメリットは何なのか、詳しく見ていきましょう。

カーリースの車を買い取るメリット

買取り後の車をカスタマイズ

カーリースの車を買い取るメリットは、以下のとおりです。

  1. 1. 乗り慣れた車に乗れる
  2. 2. 好きなだけカスタマイズできる
  3. 3. キレイな状態の中古車に乗れる
  4. 4. 原状回復や追加金のペナルティがない
  5. 5. 売却できる

上から順番に説明していきます。

メリット①:乗り慣れた車に乗れる

1つめのメリットは、乗り慣れた車に乗れることです。

カーリースは長期間の契約がほとんどなので、カーリースの車が気に入ることもあるでしょう。乗り慣れた安心できる車に乗り続けられるのは、安全運転にもつながります。

愛着が湧き乗り続けたい人には、カーリースの車の買取りがおすすめです。

メリット②:好きなだけカスタマイズできる

2つめのメリットは、カスタマイズできることです。

一般的にカーリースの車を返却するときは原状回復が前提なので、カスタマイズはできません。機器類を取り付けた場合は、取り外す必要があります。しかし、リース車を買い取ったあとは、カスタマイズも機器類の取付けも自由です。

車のカスタマイズが好きな人は、買取りできるカーリースがおすすめです。

メリット③:キレイな状態の中古車に乗れる

3つめのメリットは、キレイな状態の中古車に乗れることです。

中古車を購入する場合は、他人が使用していたこともあって状態が悪いものもあります。たとえ外観などの見た目はキレイでも、前オーナーがどんな乗り方をしていたかは分かりません。

しかし、カーリースの車を買い取る際は、新車から乗り続けているのは自分です。しかも、カーリースはメンテナンスが行き届いているので、外観だけでなくエンジンなどの内燃機関もいい状態を保っていることがほとんどです。

リース契約後にキレイな状態の中古車に乗りたい場合も、買取り可能なカーリースがおすすめです。

メリット④:原状回復や追加金のペナルティがない

4つめのメリットは、原状回復や追加金といったペナルティがないことです。

カーリースの車を返却するとき、ボディにキズや凹みなどがあると修理費用が発生するほか、走行距離制限を超過した場合には追加金の請求があります。

車を買い取る場合は元契約者が所有するため、原状回復や追加金は一般的にありません。

リース期間満了後の清算を避けたい場合も、カーリースの車の買取りがおすすめです。

メリット⑤:売却できる

5つめのメリットは、カーリースの車を買い取った後に売却できることです。

所有者が元契約者なので、売却も自由です。

売却することで、リース期間中に支払った費用や買取り費用などを回収できることもあるでしょう。ただし、車の人気度や状態、走行距離といった条件によって売却価格が変動する点には注意してください。

車の売却を視野に入れている場合も、カーリースの車の買取りを検討してみましょう。

カーリースの車を買い取るデメリット

自動車税の納税

カーリースの車を買い取るデメリットは、以下のとおりです。

  1. 1. 手続きを自分で行う必要がある
  2. 2. 各種税金やメンテナンス費用が実費
  3. 3. 買い取る際はまとまったお金が必要

上から順番に説明していきます。

デメリット①:手続きを自分で行う必要がある

1つめのデメリットは、買取り後の手続きは自分で行う必要があることです。

カーリース契約時は車の名義がカーリース会社なので、手続きを行う義務はカーリース会社にありました。そのため、名義変更、ナンバー取得、車庫証明や車検証の発行といった手続きのほか、自動車税/軽自動車税の支払いもカーリース会社が全て行います。

しかし、カーリースの車を購入すると名義は元契約者になるので、上記の手続きは全て自分で行わなければなりません。

面倒な手続きを避けたい場合は、カーリースの車の買取りはおすすめしません。

デメリット②:各種税金やメンテナンス費用が実費

2つめのデメリットは、各種税金やメンテナンス費用は実費で支払う必要があることです。

カーリース契約時に支払う毎月のリース料には、各種税金も含まれていました。メンテナンスリースを契約している場合は、オイル交換やブレーキパッド交換といった消耗品の交換もリース料に含まれます。

一方で車を買い取ったあとはリース料を支払うことはないため、各種税金やメンテナンス費用も実費で支払わなければなりません。カーリース契約時のように月々の出費が一律ではないので、出費の予想も立てにくく管理も手間がかかります。また、自動車税の納税を忘れてしまうと、延滞金を払うことになったり車検が受けられなかったりといったペナルティもあります。

支払いの管理を楽にしたい場合も、カーリースの車の買取りよりはカーリースを継続した方がいいでしょう。

デメリット③:買い取る際はまとまったお金が必要

3つめのデメリットは、買い取る際にまとまったお金が必要なことです。

リース期間を終えて車を購入するとき、満了時の残価を一括で支払う必要があります。リース料だけで買取りになるカーリース会社のプランもありますが、一括購入する場合がほとんどです。また、リース料だけで購入できるカーリースは、毎月のリース料も高額になる傾向にあります。

まとまったお金を用意するのが難しい場合は、買取りではなく継続や返却した方が無難です。

まとめ:カーリースの買取りは状況に合わせて判断しよう

カーリースの契約

カーリースの買取りは、状況に合わせて判断することが大切です。

場合によっては、金銭的な負担が大きくなったり手間がかかるようになったりするからです。

納税や名義変更、車検といった手続きも自分で行わなければならないので、時間もかかります。また、リース期間満了時に一括で残価の支払いも発生します。

一方で買取りできればカスタマイズや売却も可能で、走行距離を気にすることなく乗り続けることも可能です。メンテナンスリースの車ならメンテナンスが行き届いているので、ほかの中古車を購入するよりもいいコンディションを保っているため、故障リスクも低いといえます。

コスモMyカーリースであれば、クローズドエンド方式でも買取りできるケースも多くあります。また、9年リースで契約時に車がもらえるプランもあります。買取りではなくもらえるので、満了時にまとめて残価を精算する必要もありません。ぜひ検討してみてください。カーリースを上手く利用して、ステキなカーライフを送りましょう。

近藤大助

【プロフィール】
近藤 大助自動車メディアでの執筆経験は約5年。エイチームの「ナビクルcar」や「トヨタの中古車アプリ・remobii」の記事のほか、八重洲出版のバイク専門誌「モーターサイクリスト」、中古車ガリバー、Keeper Proといった大手の出版社や企業の記事を執筆。「Yahoo!ニュース」掲載経験あり。

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