目次
カーリースの値段は車やサービスによって異なる
カーリースの値段は、車やサービス内容によって異なります。
一括りにリース車両やサービスといっても、多種多様です。
車だけでも新車や中古車、車種やグレードといった違いのほか、カーリース会社やリース期間などでもカーリースの値段は変わります。
メンテナンスのついた「メンテナンスリース」、メンテナンスなしの「ファイナンスリース」といったプランによる値段の違いもあります。メンテナンスリースは車検代や消耗品の交換まで含まれるので、毎月のリース料金はファイナンスリースよりも高額です。
極端な話ですが、軽自動車の中古車を安いカーリース会社で長期のファイナンスリースにすれば毎月のリース料金を安く抑えることができます。
では、カーリースのリース料金はどのくらいなのか、詳しく見ていきましょう。
カーリースの一般的な年間費用を車のタイプごとに紹介
カーリースの年間費用を、以下の車のタイプごとに紹介します。
- 1. 軽自動車
- 2. 普通車(コンパクトカー)
- 3. 普通車(大型セダン、ミニバン)
上から順番に詳しく見ていきましょう。
軽自動車
軽自動車は車両本体価格が安いうえ、軽自動車税や自動車重量税、自賠責保険も安いことから、カーリースの値段も抑えることができます。
すべて普通車よりも安いことから、毎月のリース料金も安い傾向にあります。
5年契約と7年契約の場合の一般的なリース料金は、以下のとおりです。
費用 | プラン | 5年契約 | 7年契約 |
---|---|---|---|
月額リース料金 | ファイナンス | 25,000円前後 | 20,000円前後 |
メンテナンス | 26,000~32,000円 | 24,000~30,000円 | |
年間リース料金 | 290,000~390,000円 | 250,000~360,000円 |
カーリース会社のほか、メーカー、車種、グレードによっては上記より値段が安くなることもあるでしょう。
普通車(コンパクトカー)
コンパクトカーは軽自動車ほどではありませんが、排気量が少なく車体重量も軽い部類に入るので、カーリースの値段もある程度抑えられます。
5年契約、7年契約でコンパクトカーをリースした場合の一般的な値段です。
費用 | プラン | 5年契約 | 7年契約 |
---|---|---|---|
月額リース料金 | ファイナンス | 35,000円前後 | 28,000円前後 |
メンテナンス | 38,000~40,000円 | 31,000~33,000円 | |
年間リース料金 | 400,000~480,000円 | 330,000~400,000円 |
車種やグレード、オプションの有無などによってカーリースの値段も変化しますが、コンパクトカーは概ね上記のようなリース料金になるでしょう。
普通車(大型セダン、ミニバン)
大型セダンやミニバンは、普通車の中でも車両本体価格は高額かつ排気量が大きく車体重量もあるので、リース料金は高い傾向にあります。
ミニバンを5年、7年契約でリースした場合の一般的な値段は、以下のとおりです。
費用 | プラン | 5年契約 | 7年契約 |
---|---|---|---|
月額リース料金 | ファイナンス | 54,000円前後 | 50,000円前後 |
メンテナンス | 58,000~60,000円 | 52,000~58,000円 | |
年間リース料金 | 650,000~720,000円 | 590,000~700,000円 |
大型セダンは残存価額も低い傾向にあるので、リース料金は上記より高くなるでしょう。
カーリースの値段が安い理由
カーリースは、レンタカーやカーシェアよりも安い値段で利用できます。
そもそもカーリースの多くは、残価設定が採用されているからです。
残価設定とは、契約時のリース車両の「車両本体価格や諸費用」から「リース期間満了時の予想価格」を差し引いた金額を支払うことです。算出した金額をリース契約月数で割るため、契約期間が長くなるほど毎月のリース料金は安くなります。
たとえば、車両本体価格と諸費用の合計が400万円の車を5年契約するとしましょう。残価が150万円の場合は、250万円を60回(5年)に分けて支払っていきます。7年の場合は、残価が100万円であれば300万円を84回に分けて支払っていきます。
ただし、カーリース会社によっては値段を安く見せるために、頭金やボーナス払いの金額を高く設定している場合もあるので、注意してください。
カーリースの値段には何が含まれている?
毎月のリース料金には、以下のような費用が含まれています。
車両本体価格 | 実際の車両価格からリース期間満了時の予想価格を引いたもの |
---|---|
各種税金 |
|
保険料 |
|
手数料 |
|
また、メンテナンスリースの場合、車検や点検、オイル交換、各種消耗品等の費用も含まれます。
毎月のリース料金以外に必要な費用
リース料金以外に必要な費用は、以下のとおりです。
- 駐車代
- 燃料代
- 任意保険料
- 車検費用
- 点検費用
- 消耗品の部品代・工賃
先述のとおり、メンテナンスリースを契約することで、車検や点検、消耗品にかかる費用を毎月のリース料金に含めることも可能です。
任意保険に関しても、カーリース会社によっては提携する保険会社に加入することで、毎月のリース料金に含めることができます。
カーリース契約満了後に請求される可能性がある費用
リース期間満了後は、返却、再リース、カーリース会社によっては買取りといった選択肢が用意されています。返却の場合に請求される可能性がある費用は、以下のとおりです。
- 1. 走行距離制限を超過した場合の追加金
- 2. 車の原状回復費用
- 3. 実際の査定額と残価との差額
上から順番に説明していきます。
費用①:走行距離制限を超過した場合の追加金
1つめは、走行距離制限を超過した場合の追加金です。
カーリースは、契約時に車の走行距離をどのくらいにするか設定します。
リース契約満了時に設定した走行距離の上限を超えていると、「1km〇円」といった追加金が請求されます。相場は5〜15円であり、たとえば1kmあたり5円で1万km超過した場合は5万円の追加金を支払わなければなりません。
カーリース会社は、返却されたリース車両を中古車として販売します。走行距離が多く価値が下がってしまうと大きな負担になってしまうので、走行距離制限が設けられているのです。
カーリース利用の際は、走行距離制限を超過しないように注意しましょう。
費用②:車の原状回復費用
2つめは、車の原状回復費用です。
リース契約終了後は、リース車両のボディや内装の状態などがチェックされます。確認の際に、ボディにキズや凹み、車内の汚れやシートの破れ、臭いが付着しているような場合は契約時の状態に戻すための費用が請求されます。内装パーツの交換、補修、クリーニング代です。
リース車両の利用時は、返却時のことを考えて利用しましょう。
費用③:実際の査定額と残価との差額
3つめは、実際の査定額と残価との差額です。
基本的にリース契約期間を終えたリース車両は、中古車として販売されます。しかし、走行距離の超過や車の破損などがなくても、価値が下がっている場合は差額を請求されることもあります。
そもそもカーリース契約には、「オープンエンド方式」と「クローズドエンド方式」があります。オープンエンド方式は、リース車両の査定額が残価を下回っていると差額を支払う必要がありますが、上回っていると差額を受け取ることができます。
クローズドエンド方式は、差額を支払う必要はありませんが、受け取ることもできません。
自分の用途や利用頻度などを踏まえたうえで、契約内容を検討しましょう。
カーリースの値段を安くするためのポイント
カーリースの値段を安くするためのポイントは、以下のとおりです。
- 1. 車のグレードを下げる
- 2. リース期間を長くする
- 3. 中古車にする
上から順番に説明していきます。
ポイント①:車のグレードを下げる
1つめのポイントは、車選びです。
どうしても車種を変更したくない場合は、グレードを下げることでリースの値段を下げることができます。同じ車種でもグレードによって車両本体価格が100万円以上も下がることがあります。また、グレードを下げたくないならオプションを減らすことも検討しましょう。
不要なオプションを外したり社外品で代用したりすることで、数万円から数十万円は車両本体価格を下げられます。ほかにも、燃費のいい車にすることで維持費の節約につながることもあります。
ポイント②:リース期間を長くする
2つめのポイントは、リース期間です。
そもそもリース料金は車両本体価格から残価を引いたあと、保険料や税金といった諸費用を加えた金額をリース期間で割って算出されます。カーリースの契約期間が長くなるほど、毎月のリース料金は安くなります。
一般的なリース期間は3年、5年、7年です。
しかし、カーリース会社によっては9年や11年といった長期プランも用意されています。ただし、長期カーリースは途中で解約できなかったり中途解約時の違約金が高額であったりするので、それらを踏まえたうえで契約しましょう。
カーリースの値段を安くするなら、リース期間を長くすることも検討してみてください。
ポイント③:中古車にする
3つめのポイントは、中古車です。
中古車は新車と比べて車両本体価格が安いので、カーリースの値段を下げられます。
ただし、年式には注意が必要です。
3年落ち程度の新しい高年式中古車であれば故障リスクも低めですが、10年落ち近くの低年式中古車は故障リスクがあります。メンテナンス費用がかかるうえ、リース契約中に自動車税や自動車重量税が割増になってしまうデメリットもあります。
短期カーリースを利用する場合であれば問題ないかもしれませんが、長期カーリースの場合はできるだけ新しい中古車を選びましょう。
カーリースの値段を安くするなら、中古車という選択肢も視野に入れてみてください。
まとめ:値段だけでなくメリットのあるカーリースを選ぼう
カーリースの普及により、カーリース会社は豊富にあります。
安い値段のカーリースを探すことは可能ですが、安さだけを重視するのはおすすめしません。「高額なボーナス払いがある」「修理代が高額」といったデメリットが生じることで、かえって大きな費用を負担する可能性もあるからです。
カーリース会社によっては、見積り額が他社より少し高額に見えても「ガソリン代が割引」「車両本体価格の割引がある」といった特典が用意されていることもあります。目先の値段に惑わされることなく、本当にお得なカーリースを選ぶことが重要です。
自分に合ったカーリースをみつけて、素敵なカーライフを送りましょう。
【プロフィール】
近藤 大助自動車メディアでの執筆経験は約5年。エイチームの「ナビクルcar」や「トヨタの中古車アプリ・remobii」の記事のほか、八重洲出版のバイク専門誌「モーターサイクリスト」、中古車ガリバー、Keeper Proといった大手の出版社や企業の記事を執筆。「Yahoo!ニュース」掲載経験あり。
SHARE