短期のカーリースとは?最短でどのくらいの期間から利用できる?

出張やマイカーの修理など、数カ月だけ車を要することがあるでしょう。近年は、カーシェアやレンタカー以外にカーリースという選択肢もあり、短期間での提供も増えています。今回は、短期カーリースの利用期間やメリット、注意点などをご紹介します。

短期のカーリースは最低1カ月から!

カーリースの期間を説明する女性

カーリースは長期利用が基本ですが、カーリース会社によっては1カ月単位で利用できるサービスも存在します。

1カ月単位でのカーリースが可能であれば、「出張先での日常の交通手段」や「納車や修理が完了するまでの代車」としても活用することも可能です。

ただし、お住まいの地域によっては1カ月単位で利用できるカーリースが存在しないこともあるので、ご利用の際は事前に調べておくことをおすすめします。

短期カーリースとは?

明確な基準はありませんが、1カ月単位で利用できるカーリースは短期カーリースといっていいでしょう。通常のカーリースは、年単位での中長期利用が一般的です。

それぞれの違いですが、長期カーリースは新車の提供が多いのに対して、短期カーリースでは中古車がほとんどです。カーシェアリングやレンタカーを利用する感覚に近いといえます。

短期リースが中古車である理由は、新車だと毎月のリース料が大きくなってしまうからです。

そもそもカーリースの月額リース料は車両本体価格を契約期間で割って算出されているため、1年未満の契約では割高になってしまいます。よって、新車ではなく中古車を提供するカーリース会社が多いのです。

納車までの期間は?

短期カーリースの納車期間は、1週間前後です。

一方の長期カーリースは、新車のため1~3カ月の期間を要します。申し込み後に車の仕入れを行うため、短期カーリースよりも納車が遅くなってしまいます。

しかも、長期カーリースは購入時と同じようにグレードやカラー、オプションを選択できる場合がほとんどです。人気のある車種やグレードを選ぶと、さらに期間は延びるでしょう。

長期カーリースでも即日納車を提供する会社もありますが、手続きなどを含めると納車までに数週間は必要です。

一方の短期カーリースは中古車なので、在庫次第で即日納車できる場合もあります。

短期カーリースを利用するメリット

短期カーリースでさまざまな車に乗る家族

短期カーリースを利用するメリットは、以下のとおりです。

  1. 1. 長期カーリースよりも気軽に利用できる
  2. 2. さまざまな車に乗れる
  3. 3. 車の諸手続きに手間がかからない
  4. 4. 使用するたびに返却は不要
  5. 5. 費用が一定である

上から順番に説明していきます。

メリット①:長期カーリースより気軽に利用できる

短期カーリースのメリットは、長期カーリースより気軽な点です。

契約期間が短いと、中途解約のリスクが下がります。

長期カーリースは数年単位で契約するため、ライフスタイルや収入の変化などで中途解約せざるを得ない場合もあるでしょう。原則としてカーリースは中途解約ができず、もしも中途解約が認められたとしても高額な違約金が発生してしまいます。

短期契約なら急な変化が起こるリスクは低いので、安心して利用できます。

途中で解約する恐れがある人には、短期カーリースの利用がおすすめです。

メリット②:さまざまな車に乗れる

さまざまな車に乗れることも、短期カーリースのメリットです。

「短い期間だけ車を使いたい」という場合だけでなく、「さまざまな車に乗ってみたい」という場合も短期カーリースなら実現できます。

車を購入する場合は、乗り換える毎に多額の出費が発生します。金銭的にかなりの余裕がないと、複数の車に乗り換えるのは困難です。

短期カーリースなら少ない負担でさまざまな車に乗れるので、車が好きな人にもおすすめです。

メリット③:車の諸手続きに手間がかからない

車にまつわるさまざまな手続きに手間がかからないことも、短期カーリースのメリットです。

所有者はカーリース会社なので、面倒な手続きはカーリース会社が代行してくれます。

たとえば、短期カーリースの車両と同じ「中古車」を「ローン」で購入する場合、以下のような手間がかかります。

  • 車両を選ぶ:現車の確認
  • ローンの審査:仮審査・本審査
  • 購入の手続き:契約書などの記入
  • 任意保険の手続き:保険会社との連絡、必要書類への記入

処分の際には、以下のような手間がかかります。

  • 売却先を選ぶ:多くの買取り店から希望の店舗を選ぶ
  • 売却価格の交渉:複数社の見積りで比較
  • 売却手続きや廃車手続き:売却先が用意した書類の記入
  • 任意保険の解約手続き:保険会社との連絡、必要書類への記入

このほかに、車検や自動車税の納税などもあります。

短期カーリースも購入時の手続きなどは必要ですが、ネット申し込みと必要書類の郵送だけで済みます。また、カーリース会社によっては車検や自動車税が料金に含まれているだけでなく、オプションで任意保険が用意されていることもあります。

車の所有にともなう手続きに手間をかけたくない場合も、短期カーリースをおすすめします。

メリット④:使用するたびに返却は不要

短期カーリースは、車両を使用するたびに返却する必要がないこともメリットです。

レンタカーやカーシェアリングは、決められた時間が経過すると車両を返却する必要があります。短期カーリースであれば、所有する車と同様の扱いが可能です。

契約期間中は自宅や月極駐車場で管理できるので、車内に荷物を置きっぱなしにしていても問題ありません。しかも、レンタカーのように「わ」「れ」ナンバーではないので、カーリースを利用していることが知られることもないのです。

マイカーと同じように車を利用したい人にも、短期カーリースをおすすめします。

メリット⑤:費用が一定である

月々の費用が一定であることも、短期カーリースのメリットです。


中古車をローンで購入した場合、毎月のローンだけでなく車検や自動車税、メンテナンス費用が発生します。車に不具合が発生するたびに部品代や工賃といった修理費用が加算されるなど、突然の出費が予測できません。

また、レンタカーやカーシェアの場合は、使用頻度が一定にならないために発生する費用も毎月変動してしまいます。短期カーリースなら車に乗る頻度が増えたとしても月々の出費は一定となります。

毎月の出費を一定にして管理しやすくしたいなら、短期カーリースをおすすめします。

短期カーリースを利用する際のデメリットや注意点

初期費用を支払う人

短期カーリースを利用する際のデメリットや注意点は、以下のとおりです。

  1. 1. 初期費用が発生する
  2. 2. 車庫証明が必要
  3. 3. 納車までに期間がある

上から順番に確認していきましょう。

デメリット①:初期費用が発生する

短期カーリースのデメリットは、初期費用が発生することです。

具体的には保証金として、利用時に2万円~3万円ほど預ける場合がほとんどです。

この保証金は、車両の原状回復に充てられることが多く、リース契約満了時に精算されます。原状回復として充てられた費用から差し引かれた金額が契約者に還元されますが、車両へのダメージが大きい場合は、保証金は戻ってきません。

ちなみに、長期カーリースに保証金は存在しないことが一般的です。

以上の理由から、初期費用を避けたい場合は長期リースやレンタカー、カーシェアの利用をおすすめします。

デメリット②:車庫証明が必要

短期カーリースのデメリットは、車庫証明が必要なことです。

たとえ1カ月だけの利用だけであっても、車庫証明を取得する必要があります。

車庫証明の提出はカーリース会社に代行してもらえることもありますが、2,000~2,500円ほどの手数料が発生します。契約者自身で取得する場合は、管轄の警察署へ行って手続きを行わなければならず、保管場所標章交付の手数料として500~600円ほど必要です。

ただし、軽自動車をリースする場合はお住まいの自治体によって車庫証明が不要な場合もあります。

上記のような手間や費用をかけたくないのであれば、レンタカーやカーシェアといったサービスの利用をおすすめします。

デメリット③:納車までに期間がある

納車までに期間があることも、短期カーリースのデメリットです。

短期カーリースといっても、審査があるうえ書類の手続きも必要です。カーリース会社もリース前の点検や整備といった時間を要するため、申し込みから利用までには期間が発生します。新車の調達から始まる長期カーリースに比べると、納車までの期間は4日前後と短いものの、レンタカーやカーシェアのように申し込み当日から利用することはできません。

早く利用したい場合は、事前に手続きを済ませるかレンタカーやカーシェアも検討してみましょう。

短期カーリースとマンスリーレンタカーを比較

カーリースとレンタカーを比較する女性

短期カーリースと似たサービスに、マンスリーレンタカーがあります。

マンスリーレンタカーとは月単位で利用できるレンタカーのことであり、1日で利用するよりも割安で車を借りられることが特徴です。

では、短期カーリースとマンスリーレンタカーにはどのような違いがあるのか、以下3つの視点から比較します。

  1. 1. 契約期間
  2. 2. 料金
  3. 3. 手続き

上から順番に比較していきます。

比較①:契約期間

短期カーリースとマンスリーレンタカーの利用期間には、以下のような違いがあります。

  • 短期カーリース:1カ月から1年未満までの利用
  • マンスリーレンタカー:1カ月間の利用

両者とも1カ月後の利用を延長することは可能です。

ただし、マンスリーレンタカーは次の予約が入っていると違う車を選ぶ必要があり、料金が変動する恐れがあります。

同じ車に継続して乗り続けるなら、短期カーリースがおすすめです。

比較②:料金

短期カーリースとマンスリーレンタカーの料金には、以下のような違いがあります。

  • 短期カーリース:15,000円/月~
  • マンスリーレンタカー:30,000円/月~

上記の料金はあくまでも目安ですが、レンタカーの場合はレンタカー会社やレンタルする車によって料金は大きく異なります。

短期カーリースは長期カーリースと比べて割高になる一方、マンスリーレンタカーは1日単位でレンタルするより割安に利用できます。それでも、両者を比べるとマンスリーレンタカーの方が高額になりやすいです。

安く車を利用するのであれば、短期カーリースをおすすめします。

比較③:手続き

短期カーリースとマンスリーレンタカーの手続きには、以下のような違いがあります。

  • 短期カーリース:車庫証明、審査、利用の手続き
  • マンスリーレンタカー:利用の手続き

短期カーリースは車庫証明が必要になるほか、審査を受ける必要があります。ただし、クレジットカードでの支払いで審査が不要になるカーリース会社も存在しますし、車庫証明の手続きは代行してもらうことも可能です。

一方のマンスリーレンタカーは車庫証明も審査も不要なので、手軽な利用が可能です。注意点としては、予約が入っていない車しか選べないので選択肢が少ない可能性があります。

面倒な手続きを省くのであれば、マンスリーレンタカーがおすすめです。

まとめ:1カ月程度の短期利用ならカーリースやレンタカーがおすすめ

カーリースでドライブする男女

1カ月だけの車の利用であっても、さまざまなサービスが存在します。

自身の用途や目的に合ったサービスを利用することで、余計な出費やリスクを回避することが可能です。

短期カーリースは料金の安さが魅力な反面、審査や車庫証明など利用までに手間がかかります。一方のレンタカーは手軽に利用できるものの、料金は割高になってしまいます。

しかし、短期カーリースなら1カ月以上利用する場合はリース料がさらに安くなるので、1カ月以上利用する可能性のある方にもおすすめです。

この記事を参考に、自身に合ったサービスを検討してみてください。

近藤大助

【プロフィール】
近藤 大助自動車メディアでの執筆経験は約5年。エイチームの「ナビクルcar」や「トヨタの中古車アプリ・remobii」の記事のほか、八重洲出版のバイク専門誌「モーターサイクリスト」、中古車ガリバー、Keeper Proといった大手の出版社や企業の記事を執筆。「Yahoo!ニュース」掲載経験あり。

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